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GMT Germantownの初期配置 [ウォーゲーム]

 今週末は模型製作はちょっと休んで、GMTというメーカーから発売されているウォーゲーム「Germantown」の初期配置を並べてみました。
GMTgermantown001.jpg
 Germantownはアメリカ独立戦争のさなかに発生した会戦のひとつで、1777年10月4日に、当時反乱軍を統べる大陸会議(のちの米国議会)がある首都フィラデルフィアへ向かって進撃したイギリス軍と、ワシントン将軍率いる大陸軍の間で発生しました。
 イギリス軍はその少し前にブランディワイン川会戦という戦いで反乱軍を破って首都を占領、ワシントンはこのイギリス軍に一矢報いるべく、大胆な攻撃を試みますが、未熟な部隊は熟練のイギリス軍に弾き返されたのでした。
 GMTの「アメリカ独立戦争諸大会戦(GBoAR)」は地図盤1枚、カウンター200個程度で手軽に独立戦争の会戦を再現できるシリーズで、以前この会戦の翌年に発生したモンマスコートハウスをプレーしたことがありました。

 上の画像は初期配置で、画面左、つまり北西方向から進撃するワシントン率いる反乱軍が、画面右に展開するハウ卿配下の英軍に対して進撃しているところです。
 史実におけるワシントンの作戦はというと、以下のようなものでした。
GMTgermantown002.jpg
 ワシントンはアームストロング将軍の民兵師団に右翼方面(画面下側)から英軍左翼のヘッセン兵師団(ベージュにグリーンの部隊)を攻撃させ、自身は主力を率いて中央を突破、さらにグリーンおよびステファン師団が左翼へ迂回し、英軍右翼側面に奇襲攻撃をしかけようと試みました。
 これは別個に行動する3つの梯団が、英軍の不意を突きつつ、タイミングよく同時に襲いかかるという難しい作戦で、案の定史実では攻撃のタイミング合わなかったうえ、同士討ちも発生する大混乱に陥りました。
 さらに英軍は左翼のフォン・クニップハウゼン率いるヘッセン兵や、画面中央の赤い四角で示した「チューハウス」と呼ばれる豪邸に立て籠もったイギリス第40連隊の1個中隊が、反乱軍の猛攻を果敢に防いで戦列の崩壊を防いだため、ワシントンは諦めて攻撃を中止、戦いは英軍の勝利となりました。

 しかし、英軍は反乱軍の首都を占領し、ワシントンの大陸軍主力を撃破したものの、大陸会議の主要メンバーを取り逃がしたうえ、ワシントン軍も敗北はしましたが壊滅することはなく退却。
 彼らはその年の冬にヴァリーフォージと呼ばれる駐屯地で極寒のなか訓練を積んで強力となり、フランスなど外国の支持も得て、独立戦争は次第にアメリカ有利へと傾いていきました。

 ジャーマンタウンの会戦は、戦術的には負けたけど、戦略的あるいは政治的にはアメリカ軍とワシントン将軍の評価が高まったという点で、ベトナム戦争のテト攻勢のような位置づけができる・・・かどうかはよく知りませんが、できるかもしれません。

 というわけで、このあと特別ルールの確認などのために、ちょこっと動かしてみようかな、とは思っています。例会などでも終わりまでプレーできる規模のシリーズなので、ちょっと楽しみではあります。

追記:文中で、大陸軍の進撃方向を「西から」と書きましたが、より正確には北から、あるいは北西方向からとしたほうが適切と思われますので、訂正いたしました。

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