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Baptism by Fireユニットカウンター紹介(その6) [ウォーゲーム]

 前回の第1、第34歩兵師団、および前々回の第1機甲師団に続いて、今回はBaptism by Fireに登場するもうひとつの米軍部隊を取り上げようと思います。
BbF_Stark.jpg
 上の画像は上段が「タスクフォース・スターク」、下段の3ユニットはどの部隊にも所属せず、軍団司令部直属となっている独立ユニットです。
 TFスタークは第26歩兵連隊長スターク大佐を司令官とする各師団の寄せ集めで、日本陸軍的にいえば「独立混成旅団」という体の部隊です。
 ユニットカウンターを順に見ていくと、1/13は第1機甲師団の第13戦車連隊第3大隊所属のI中隊、第805独立戦車駆逐大隊、第1歩兵師団第26歩兵連隊の第1大隊、第9歩兵師団第39歩兵連隊第3大隊、さらに第19独立工兵連隊のうちの4個中隊が2個中隊ずつ2ユニットになっています。
 スターク大佐はこの戦力でカセリーヌ峠に防御陣地を敷き、ドイツ軍装甲部隊を待ち受けました。兵力は戦車1個中隊(シャーマン戦車約15-17両)、対戦車自走砲1個大隊、(工兵を含む)歩兵10個中隊、そして(ユニットには表されていない、あるいは含まれている)重火器と支援砲兵となります。
 第805戦車駆逐大隊はもとも第34歩兵師団に所属していましたが、カセリーヌ峠の戦いの時点では第1機甲師団隷下となったもののTFスタークに配属され、ここで大損害を被りました。
 装備も本作で扱う期間まではM3ハーフトラック搭載の75mm砲ですが、この戦いの翌月にはM10対戦車自走砲が配備され、イタリアへ進撃後は一時的に牽引砲装備となったあと、最終的にM18ヘルキャットへと更新されました。
 チュニジア作戦はもとより、米軍の独立戦車駆逐大隊は多くの場合歩兵師団に配属され、中隊または小隊ごとに分割されて、各歩兵大隊に分遣されました。BCSでも戦車駆逐大隊は「機甲戦力値(Armor Value)」が白抜きで書かれていて、これが「限定AV」であることを示しています(AVが赤で記載されているユニットはより強力な「実AV」です)。
 限定AVは攻撃力が低く、集中使用するよりも所属部隊の各ユニットに支援を提供する「サポート」状態で用いる方が効率的です。ドイツ軍のマーダー対戦車自走砲は移動サイドでは戦力集中していますが、展開サイドになるとサポート専用部隊となり、戦力が白抜きの2から赤の3へと大幅にアップします。しかし、まだ諸兵科連合先述に不慣れな米軍では、移動サイドでの戦力は1、裏面の展開サイドになっても数値が1上昇するだけで、限定AVのままです。
 戦車駆逐大隊は3個中隊編成で、定数では対戦車自走砲または牽引式対戦車砲36門を装備するはずですが、このユニットのステップ数は2なので、おそらく定数の2/3程度の稼働数だったと評価されているように思います。
 第19工兵大隊はカセリーヌ峠に塹壕構築と地雷敷設のために送り込まれた部隊でしたが、ドイツ軍の攻撃に際し居残って防御戦闘に参加しました。そのような戦闘訓練は受けていない部隊なのでユニットの質を示すアクションレーティングは最低の1です。
 それでもこの工兵大隊がいるおかげでTFスタークの歩兵は3個大隊つまり1個連隊相当の歩兵と戦車と対戦車砲を装備する「諸兵科協同の増強旅団」程度の戦力を有していたことになるかと思います。
 専用ルールの史実解説を読むと、この部隊にはさらに第1機甲師団の機械化歩兵や別の戦車駆逐大隊なども配属されていたようです。

 さて、BCSでは各ユニットは基本的に師団またはカンプグルッペのような「部隊(フォーメーション)」に属し、フォーメーション単位で活動するのですが、一部にどのフォーメーションにも属さない独立ユニットや、軍団など上級司令部に所属する直属砲兵が与えられる場合があります。
 本作の米軍では上の画像の下段にある第894戦車駆逐大隊と「Prov」と記載された独立戦車大隊、そしてTFスタークに配属された1個大隊しか登場しない第9歩兵師団の師団砲兵隊が、この独立ユニット(砲兵の場合は上級アセット)として登場します。
 「Prov」はProvisional(暫定)の略で、ゲームでは初期配置の状態でデッドパイルに置かれています。これは緒戦で撃破された戦車大隊の残余を寄せ集めた部隊で、ゲーム的には補充ポイントを用いて編成するように定められています。
 第9歩兵師団の師団砲兵は連隊長の「レッド」アーヴィンの指揮下に第34、第60、第84野戦砲兵大隊(第34のみ155mm他は105mm砲装備)と75mm砲装備のカノン砲中隊2個を有していました。
 第9歩兵師団は北アフリカに遅れて上陸し、まだ戦力集結を終えていなかったのですが、ドイツ軍の攻撃に対抗するため砲兵のみ前進させ、他の師団への火力支援を柔軟に行い大きな助けとなったようです。史実解説にはこの砲兵連隊の指揮官アーヴィン大佐は、後に第5歩兵師団長となったと記されています。

 次回は本作のユニット紹介の最終回として、米軍以外の連合軍部隊に属する各ユニットを見てみようと思います。

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