SSブログ

Last Blitzkrieg(Battalion Combat Series vol.1) [ウォーゲーム]

 ここ最近、中古の古いウォーゲームを買うことが多かったのですが、昨日、久しぶりに新作ゲームが届きました。
BCS_LG001.jpg
 こちらはMMP社に合併したThe Gamersブランドの「第1次大戦末期から現代までの陸上戦闘を大隊レベルで再現する」という新シリーズ、「Battalion Combat Series(大隊戦闘シリーズ:通称BCS)」の第1作です。
 扱うのは1944年12月16~31日までのアルデンヌ攻勢、いわゆる「バルジの戦い」で、同じ大隊レベルでは過去にSPI社のWacht am Rhein、COMMAND誌の「Wave of Terror」などがあります。
 本作はWaRと同じくフルマップ4枚のビッグゲームですが、1ターンは1日、カウンター数は1680個ですが、そのうち戦闘ユニットはドイツ軍約360、連合軍約460、合計約800個です。

 状況設定は10個含まれていて、キャンペーンゲームは16ターンを要しますが、その他のショートシナリオは4~10ターンで、5、6ターンのものが多く含まれています。
 システムは同社の「オペレーショナルコンバットシリーズ(OCS)」をスケールダウンしたものを想像していたのですが、ぱっとみただけでもかなり違う、独自のシステムという印象です。同社は小隊レベルのTCS、中隊レベルのGCS、連隊レベルのOCSをこれまで発表していますが、そのどれとも異なる戦闘の様相を再現するのだ、とルールの冒頭で明記しています。

 ルールはまだ読み始めたばかりなので即断は避けることとして、まずコンポーネントをざっと見てみました。
BCS_LG002.jpg
 地図は4枚で1ヘクスの距離は1km。おおよそバルジを題材にしたゲームが網羅するエリアが含まれていますが、ムーズ川の線はディナン>ナミュール>ユイと続いて地図北端へ抜けており、リエージュは描かれていません。
 勝利条件は基本的には勝利ポイント制ですが、サドンデスの勝利条件として、ドイツ軍は第2、第9SS装甲師団をある程度の戦力を維持した状態で地図北端の登場エリアMまたはN(ナミュールとリエージュの間)から突破させるという目標が与えられています。上記2個師団を「突破戦力」と明確に位置づけているのが興味深いです。
 上の画像はバストーニュ近辺をアップにしたものですが、本作ではバストーニュの重要性を「東西に通じている主要街道(白く描かれた道路:図中の青い線で示す)がバストーニュ経由でしか存在しない」という形で表現しています。
 主要街道と2級道路の違いは、装輪ユニットの移動ポイントコストが1/4と1/2(他の移動クラスは同じ)というだけですが、これは補給に大きく影響するのではないか、とルールを読む前に想像してしまいました。
BCS_LG003.jpg
 さらに、地図上にはドイツ軍が史実において設定した「道路指定」が記載されています。上の2枚の図で赤く示したもので、赤い点線で描かれています。これは軍団毎にどの道路を使って進撃するかを上級司令部が指示したもので、たとえば第6SS装甲軍は、突破の先鋒となる第1SS、第12SS装甲師団に合わせて4本の道路が割り当てられていました。
 これは実際の戦闘では交通渋滞や友軍同士の誤射といった混乱を防ぐために設定されるものなのですが、ゲーム内でどのように活用するのか興味深いところです。
 これまでこの線が地図上に描かれているバルジゲームは寡聞にして知りませんので、おもしろいと感じた次第です。
BCS_LG004.jpg
 ユニットカウンターもちらっと見てみます。上の図は第1SS装甲師団の全ユニットで、部隊マーカーのようなものも含めて全部で22個あります。
 第1SS装甲師団は史実においては、主力であるパイパー戦闘団だけが突出して師団本隊とはぐれてしまうわけですが、ここでも明確にカンプグルッペとして独立した部隊となっています。
 おもしろいのは、装甲捜索大隊がきちんと「クニッテル戦闘団」と明記されていることで、大隊規模のこのシリーズがドイツ軍の戦闘団や米軍のコンバットコマンドを意識してデザインされているのかな、と想像させられました。
 戦闘ユニットは「突撃アロー」「突破装甲」「支援装甲」「限定装甲」「複合兵科」「準備未了」といったちょっと耳慣れない名称で分類されています。これらが戦闘システムにどう用いられるのか、ルールを読むのが楽しみになってきました。

 ルールは、シリーズルールが40ページでうち正味のルールが30ページ強、専用ルールは36ページですがルール部分は5ページで、10本の状況設定に17ページが費やされ、残る14ページはデザイナーズノートおよびヒストリカルノートです。
 戦闘結果判定表などの図表類は少なく、戦闘結果判定表も非常にシンプルなもので、ちょっとびっくりしました。ルールには「できるだけ簡潔なシステムで大規模な戦闘を精密に再現する」とあるので、野心的なシステムに興味津々というところです。

 というところで、今回はファースト・インプレッションとして外見をざっと眺めた感想を記しました。すでに翻訳を始めておりますので、引き続きシステムについてもレポートしようと思います。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。