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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その3) [ウォーゲーム]

 先日のKGパイパーに続き、新作ウォーゲーム「Last Blitzkrieg」のユニットカウンターを紹介して行こうと思います。今回は第6SS装甲軍の続きということで、パイパー戦闘団の親部隊である第1SS装甲師団(LAH)と第12SS装甲師団(HJ)を並べてみました。
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 KGパイパーが別部隊扱いなので、主力をごっそり引き抜かれてゲーム的には弱体化を余儀なくされている;LAHですが、それでも戦闘ユニットはまだ8個あります。内訳は自動車化歩兵5個大隊、戦車猟兵(自走対戦車砲)大隊、工兵大隊、そして装甲捜索大隊です。
 ドイツ軍の装甲師団はだいたい4個のKGを編成するのですが、KGパイパーを除いた上のユニットでは、クニッテルと記載された装甲捜索大隊が、これだけで1個のKGとなっています。装甲捜索大隊は所属する中隊によって装備が異なり、装輪装甲車やハーフトラック、自動車などを装備した各種偵察中隊と、ハーフトラック搭載の重火器中隊など、となっています。
 偵察部隊は他のKGでも必要なので、捜索大隊から一部を拠出し、その代わりに歩兵や工兵、あるいは戦車連隊から増強兵力を受けて戦闘団にする、というのが一般的だったようです。本作でも、装甲師団の捜索大隊はそれぞれ部隊規模がKGとされています。
 捜索大隊は移動力が16と速く、諸兵科連合のデュアルユニットで、偵察OBJを配置でき、装甲値こそ1しかありませんがARは5、ステップ数も6とかなり強力です。

 そして、残る2個KGはそれぞれ歩兵を主力する「側翼援護」および「予備」KGとなるわけですが、史実では第1PG連隊の3個大隊と戦車猟兵大隊でKGハンセン、第2PG連隊の2個大隊でKGサンディヒを編成し、工兵は各KGに分割配備されていたようです。
 本作での装甲工兵は表面は戦闘力のない「戦闘不適ユニット」で、裏面の展開サイドになるとアサルトアローと徒歩移動力を有する普通の歩兵になります。ステップ数も4と少なく、本作にはドイツ軍工兵には特別なルールもないので、師団の予備とされるような気もします。
 戦車猟兵は表面は白抜きの装甲値4が描かれていますが、裏になると赤の5と強力になります。裏面はサポートサイドなので、攻撃より防御で活躍する兵器ということを表現しているのだと思います。

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 こちらは第1SS装甲師団とともに第ISS装甲軍団を構成している第12SS戦車師団です。その編成はLAHとほぼ同じで、戦車連隊が定数の1/2である4個中隊しかないところも同じです。
 LAHでは戦車不足を補うためにティーガー重戦車大隊が配属されていましたが、こちらは同じ88mm砲を装備するヤクトパンターを有する陸軍所属の第560重駆逐戦車大隊が配属されています。
 ヤクトパンターは無砲塔なので装甲値は白抜きではありますがそれでも5、射程も2と強力。サポートモードでは赤の6とさらに強力になり、射程も3の「スタンドオフサポート」というユニットになります。史実ではこの重駆逐戦車は第26PGとともにKGクレーマーを構成していました。
 HJ師団の最初の目標はロッヘラート/クリンケルトという2つの村がくっついたような地点で、同じ軍団に属する第277と第12師団とともに、第25PGの1個大隊および師団の戦車猟兵大隊が攻撃、数日間の苦戦の末に占領しました。
 ユニットの数値を見ると、25PGも26PGも、ハーフトラック装備のIII/26を除くとARがのきなみ「2」と低評価。上述のクリンケルトを攻撃したI/25がかろうじて3。戦車隊のARも4といまひとつです。数あるバルジのゲームでHJをここまで低く評価しているのは珍しいんじゃないかと一瞬思いましたが、データなしに断言するのは止めておきます。工兵のARは3なので、LAHとは異なりこちらは工兵を前に出して戦うことになりそうな予感。
 史実では、主力である26PG&560sPzJgは作戦開始後3日経っても攻勢発起点を超えておらず、12月20日ごろのビュトゲンバッハ攻撃にようやく登場します。
 いま気がつきましたが、捜索大隊のKGブレーマーは3ステップしかありません。師団唯一のAR5のユニットなのですが耐久力がいまひとつ、とこれまた不安材料かも。

追記:ちなみに装甲擲弾兵はじめ歩兵ユニットは移動サイドから展開サイドに裏返るとARが1つよくなる場合が多いのですが、自動車化歩兵の場合、展開サイドにするという時点で機動力を失うことになるので、これまたなかなか微妙なところです。
 それでも自動車化歩兵はまだ移動モードでも攻撃可能なだけよいのかも。米独いずれも通常の歩兵大隊は移動サイドでは「戦闘不適」ユニットになって攻撃できなくなります。

 実は第ISS装甲軍団は上記の2ユニットだけでなく、上にのべた陸軍の第12VGおよび第277VG師団、さらに空軍所属の第3FJ師団まで含む、合計5個師団の大所帯でした。
 次回はこの3つの歩兵師団を紹介しようと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その2) [ウォーゲーム]

 前回はユニットカウンターの紹介を兼ねて、内容がBCSのシステム解説寄りになってしまったので、いくつかの部隊についてもう少し歴史的なことにも触れてみようと思います。
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 上の図は前回の画像からパイパー戦闘団のユニットだけを抜き出したものです。
 パイパー戦闘団は編成上は第1SS戦車連隊の2個大隊を含んでいましたが、その内訳はもとの第I大隊に所属していたパンター2個中隊(左から4つめ)と、第II大隊のIV号戦車2個中隊(左から5つめ)を統合して新たに第I大隊とし、さらに第501SS重戦車大隊(左から3つめ)を第II大隊としていました。
 手元の資料では装備車両数はIV号とパンターがそれぞれ35両、ティーガーII型が20両程度とされています。1944年のドイツ軍戦車中隊は定数は部隊や時期によってまちまちで、おおむね14、17、あるいは22両でした。武装SSは17両編成にすることが多く、これですと4個中隊で70両というのは納得の数値です。
 第1SS装甲師団(LAH)の戦車はほぼこれですべてなので、パイパー戦闘団は強力ですが、この期に及んで装甲師団には定数の半分程度の戦車しかないことも痛感します。
 BCSはスタック制限が規模や兵科を問わず2ユニットまで、なので、パイパー戦闘団にように戦車部隊の装備する車両がまちまちだと、複数の歩兵部隊を支援できる反面、集中運用は難しいということになりそうです。
 第1SS戦車連隊にはこのほか、連隊直属の工兵中隊(後述)と自走対空砲中隊があったようで、同連隊所属のものらしいヴィルヴェルヴィントの写真が残っていますが、本作のユニットカウンターとしては描かれていません。

 戦車に続いて歩兵ですが、ユニットカウンターでは上の図の左から6つめと7つめに、第2SS装甲擲弾兵連隊の第9、12中隊、および第11、13中隊と記載されたユニットがこれにあたります。
 武装SSの装甲師団に所属する2個の自動車化歩兵連隊はそれぞれ3個大隊編成(陸軍に比べて1個多い)で、全部で6個大隊のうち1個だけが装甲ハーフトラックを装備した「機械化歩兵」でした。LAHの場合は第2連隊の第III大隊で、中隊番号でいうと第9、第10、第11、第12中隊で、そのうち第12中隊は迫撃砲と重機関銃を装備する「重火器中隊」です。
 第13中隊は連隊直属の支援火器中隊のひとつで、編成表をみると自走重歩兵砲を装備していることになっています。ちょっと調べたのですが、これが具体的にどの車両なのかはわかりませんでした。まぁ定数でもぜんぶで6両しかいない兵器なので写真もなかなか残っていないのかもしれません。同時期の第12SS装甲師団など別部隊の編制を調べればわかるかも。
 なお、ユニットカウンターには、もうひとつパイパー戦闘団に属していたはずの第10中隊の表記がありません。これはなぜだろうと考えたのですが、どうも第10中隊は最初の突破時には部隊の先頭にいたらしく、またトロワポンあるいはスタヴロあたりでは偵察活動を行っているような記述があるので、左から2番目の偵察中隊に含まれているのかも。

 戦車、歩兵、偵察に続いては工兵です。上の図では右から3番目に「Pio」と記載された装甲工兵大隊(一部欠)のカウンターがあります。興味深いのがその表記で「3、9」となっています。3というのはおそらく第1SS装甲工兵連隊の第3中隊(おそらく半装軌車装備)だと思いますが、工兵大隊には第9中隊はないので、なんだろう、と思っていました。
 調べてみると、どうも第9中隊は第1SS戦車連隊所属の工兵中隊らしく、これならば9という数字も納得です(戦車連隊は定数では8個中隊編成なので)。
 戦車は行軍に際して封鎖された道路の開通や渡河点の確保が重要なので、簡易な工兵部隊が付属しているのでしょう。といっても本作ではドイツ軍にはゲーム中に破壊された橋梁を修復する能力がなく、パイパー戦闘団は史実どおり、渡河点を求めて彷徨うことになりそうです。

 最後に、ひとつだけ色の違うユニットカウンターについて。これはドイツ空軍所属の「第84対空大隊」で、自走対空砲中隊(各6両)を3個有している、そこそこ強力な部隊です。装備兵器は3.7cm対空機関砲装備の8トンハーフトラックだったようで、こちらは写真が残っています。
 ゲーム的には、ARが2で装甲値1なので、1個のユニットとして運用するよりも、司令部にくっつけてサポートとして使うのがいいのかも、と考えたりしましたが、そのあたりは実践を積まないと理解できなかもです。

 というわけでLast Blitzkriegに登場するパイパー戦闘団を簡単に紹介してみました。ゲーム内で、1個の戦闘団がこれだけ詳細にユニット化されている部隊は他にないので、興味深いです。
 次回、これによって弱体化した第1SS装甲師団の残余を含む、他の部隊もみていこうと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介 [ウォーゲーム]

 先日購入したBCS第一作、Last Blitzkriegのシリーズルールをとりあえず翻訳したので、ユニットカウンターの数値の読み方を紹介使用と思います。
 サンプルとして、登場するドイツ軍の武装SS所属部隊の画像を掲載してみます。
LB_SSPz.jpg
 上の画像はLast Blitzkriegに登場する武装SS全ユニットで内訳は第1SS装甲軍団と第2SS装甲軍団所属の、4個装甲師団ということになります。
 それではまず、バルジの戦いといえば、このときのドイツ軍を代表する戦闘部隊のひとつである「パイパー戦闘団」をみてみようと思います。パイパー戦闘団は最上段のユニット10個プラス、2段目の左端にあるフォーメーションマーカーで表されています。
 それぞれのユニットは左から、
戦闘団司令部、Spitze装甲捜索中隊、第501SS重戦車大隊、第1SS戦車連隊第1、2中隊、同6、7中隊、第2装甲擲弾兵連隊第9、12中隊、同第11、13中隊、第1SS装甲工兵大隊第3、第9中隊、そして第84戦車猟兵大隊と続き、最後が戦闘団の「前方段列(Combat Train)」となります。
 兵科マークの色は、白が通常、グレーは司令部、黄色は重装甲で、左端に赤い縦帯が追加されているものはルールでは「突破装甲部隊」に分類されるより強力な装甲兵器を装備している部隊で、上の例ではティーガーIIを装備している重戦車大隊がこれに相当します。
 パイパー戦闘団が所属する第1SS装甲師団は作戦開始時に保有戦車数が4個中隊程度と、定数の半分ほどしかなかったため、この重戦車大隊を配属して戦車戦力を増強していたようです。

 次に、ユニットの各数値を説明します。
 カウンターの左下に描かれている「↑」は「アサルトアロー」といい、このユニットが「通常攻撃」を行うことができるということを示すマークです。
 BCSの戦闘は「攻撃(Attack)」「射撃戦(Engagement)」「Barrage(砲爆撃)」の3つに分類され、それぞれには以下のような攻撃形態が含まれます。
・攻撃:通常攻撃、急襲攻撃
・射撃戦:射撃戦
・砲爆撃:制圧任務、打撃任務、直接砲撃
 このなかで通常攻撃というのは「歩兵による突撃」を表しています。つまり「↑」のあるユニットは、突撃が可能な歩兵戦力を有している、ということを意味しています。

 この部分に「↑」ではなく数値が描かれているユニットは「装甲(AV)ユニット」です。赤い数値は「重装甲」、白ヌキの数値は「準装甲」を表します。
 準装甲というのは攻撃時にマイナスの修正を受ける装甲ユニットを表し、パイパー戦闘団には相当するユニットがいませんが、第2SSおよび第12SS装甲師団の駆逐戦車大隊がこれにあたります。駆逐戦車は無砲塔なので攻撃時に不利になるということでしょうか。

 パイパー戦闘団の捜索中隊のようにこの部分に「↑」と「装甲値」が両方記載されているユニットもあります。これは「デュアル」ユニットといって、歩兵と装甲兵器をいずれも装備する諸兵連合部隊です。
 デュアルユニットは有利な修正付で攻撃を行えるうえ、急襲や射撃戦もできる万能ユニットです。しかし欠点もあります。デュアルユニットはそれ自体で編成が完結しているため、後述する「サポート」を得ることも、これを行うこともできません。

 サポートというのはそのユニットが1個の部隊としてではなく、配下の各中隊または小隊を所属部隊の他の各ユニットに分遣している状態を表します。あるユニットがサポートを行うと、そのユニットは1個のユニットとしては機能しなくなるかわりに、同じ部隊の(デュアルを除く)全ユニットが「サポート下」となって、攻撃や防御が有利になります。「簡単にいえば戦車や駆逐戦車を増強された状態」となるわけです。
 サポートを行えるのは「デュアルではない装甲ユニット」で、なかにはサポート状態でしか存在できないユニットもあります。上の画像のSS部隊にはいないので、いずれ後日ご紹介します。

 ユニットの右下の数値は移動力(MA)です。これが赤いユニットは「戦術MA」、黒いユニットは「トラックMA」、白いユニットは「徒歩MA」を有しています。
 OCSをご存じのかたは、それぞれが装軌、装輪、徒歩に相当するといえばわかりやすいかも。ただ、本作では「装軌」には装輪装甲車が含まれるため「戦術(Tac)MA」となり、「装輪」はあくまでも自動車輸送のみを指す「トラックMA」となったのだそうです。
 パイパー戦闘団には「徒歩」のユニットがいないように見えますが、実は多くのユニットには裏表両面があり、展開サイドと移動サイドというモードを有しています。装甲擲弾兵は移動モードでは16のTacMAを有していますが、展開モードになると4の徒歩MAとなります。これによって、装甲擲弾兵は車両が通過できない地形に遭遇しても歩いて進めるわけです。

 上に述べた2つの大きな数値に挟まれた2つの小さな数値について説明します。わかりやすいのがパイパー戦闘団ですとティーガー大隊です。第501SS重戦車大隊には、白抜きの黒い数値で上に5、下に2と記載されています。
 この上の5のほうはOCSでもおなじみの「アクションレーティング(AR)」で、戦闘を解決する際の基本値となる値です。ちなみにティーガーIIの「5」はとりあえずゲーム中最強です。といってもこの数値は兵器の性能だけを示す値ではなく、兵士の練度や戦意などを総合したものなので、この場合もティーガーだから5だというわけではなく。パイパー戦闘団はほとんどのユニットが5と評価されています。

 そして、下の2は「射程」を表します。ティーガーの88mm砲やパンターやIV号駆逐戦車の長砲身75mm砲は射程が2ヘクスあるわけです。
 BCSでは射程が2ヘクスある装甲ユニットを「スタンドオフAV」ユニットと呼び、遠距離から射撃戦を行えるだけでなく、サポート時には各ユニットにより広いZOCを与えることができます。

 ユニットにはもうひとつ、兵科マークの上に小さく黄色い四角に囲まれた数値があります。これはそのユニットのステップ数を表しています。このステップは減少するとカウンターの下にマーカーを置いて示すのですが、ステップ数は戦闘にはほとんど影響しない(全滅するため能力が変化しない)ので、プレー中に煩雑な印象はありませんでした。
 ステップロスマーカーは各辺に記載された数値を回転させて表示するタイプで、裏表両面で1~8までのステップを表示できるため、ゲーム中にマーカーを取り替える必要はありません。

 上記のような戦闘ユニットに加えて、「パイパー戦闘団」や「第2SS装甲師団」といった各部隊単位には、それぞれ司令部と前方段列、そしてフォーメーションマーカーが付属します。
 司令部にはオレンジの爆発印に囲まれた「砲兵戦力」が記載され、これを用いて砲爆撃を行えます。前方段列は補給源と司令部を結ぶ補給線の結束点を表し、補給源>前方段列>司令部を結ぶラインが寸断されると、その部隊は補給切れとなり、戦闘や移動に支障が出ます。
 さらに、司令部と各ユニットの連絡線、つまり指揮範囲が途絶すると、今度は各ユニットが降伏してしまう可能性が生じます。
 BCSでは補給は上記のような補給線の確立と、部隊の疲労といったさまざまな要素を加味した「SNAFU判定」というシステムで表現しています。ここでは補給線はただつながっているだけではなく、他の部隊の補給線と交差していない、というのも重要な条件で、これは本作におけるユニークかつリアリスティックな部分のひとつではないかと思います。

 というわけで、これで各ユニットのデータの読み方はほぼ説明しました。これに加え、偵察ユニットには「偵察OBJマーカー」の設置という非常に強力な特殊能力が与えられていて、単なる快速部隊以上の存在になっています。また、司令部には軍団や方面軍といった上級司令部から砲兵ポイントを追加される場合もあります。
 なお、航空戦力も砲兵と同じ砲撃ポイントとして扱われますが、これは司令部に配属されるのではなく、使用する瞬間にどこからか飛んできますw
 砲爆撃で興味深いのは、戦車による突撃には砲兵は使用できず、航空ポイントでなければならないといった細かいルールもあります。機動的な戦車戦では砲兵は柔軟性に欠けるということでしょうか。
 ほかにも戦車の戦術的柔軟性を表すルールがあるので、いずれ紹介しようと思います。

 さて、本作の武装SSユニットを見ていると、たとえばパイパー戦闘団は、第1SS装甲師団の全戦車を配属されているだけでなく、捜索大隊と工兵大隊から分遣隊を与えられ、歩兵は第2装甲擲弾兵連隊のなかからハーフトラック装備の中隊だけが抽出されているのがわかります。
 また、司令部は「1」の砲撃力を有していますが、これは師団の砲兵連隊から自走榴弾砲大隊を配属されていることを表しています。その結果、親師団の砲撃力は他の師団の「4」に対して「3」に減少しています。

 戦車ユニットの数値を見ると、本作では兵器毎の性能も数値に盛り込まれているのがわかります。パイパー戦闘団はティーガー、パンター、IV号の3種類の戦車を装備したユニットがそれぞれ1個ずつ含まれていて、ARはどれも5と共通ですが、装甲値がそれぞれ6、4、3、ティーガーとパンターは射程が2と差別化されています。
 装甲捜索ユニットは突撃も射撃戦も行えるうえ「偵察」も行えるかなり強力なユニットです。パイパー戦闘団の捜索中隊は、捜索大隊から分遣されているのですが、親部隊である捜索大隊(2段目の左から3番目のユニット)
も、歩兵なり戦車なりを増強されて「クニッテル戦闘団」となっているせいか、ステップ数が6のまま減少していません。
 ゲームでは、こうした各ユニットの特徴を活かしつつ、作戦を展開することになります。

 ちょっと欲張っていろいろ説明しようとしたので長くなってしまいましたが、次回以降、ルールシステムの解説と同時に、他の部隊についても紹介していこうと思っています。

mpc Snowspeederの製作(その4) [Star Wars]

 製作中のmpc製スノースピーダーは、いよいよ機体の上下パーツを接着するところまで進みました。
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 胴体の上下パーツの間にはコクピット、エンジンの放熱パネル、後部回転銃の基部、そして機体下部のエアブレーキが挟まります。なので上下を接着する前にこれらを取りつけなくてはなりません。
 回転銃基部は過去に組み立てた時点ですでに取りつけ済み(そして回転部が破損済みw)なので、取りつけるのはそれ以外のパーツ、特に組立説明書がないため、可動部品であるエアブレーキの取り付け方が問題となりました。
 といっても、実際の映画の画像や動画をチェックして、どの方向に取りつけるのかを確認したうえで、正しい位置にエアブレーキの回転軸部分を挟み込むだけです。
 排気部の放熱パネル(デロンギのヒーターみたいなところ)は接着位置はすぐわかるのですが、接着面積が狭かったので、パーティングラインや断面の抜きテーパーを丁寧に整形し、しっかりくっつように処理しました。
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 コクピットは簡単かつ問題なく接着できたので、いよいよ胴体上下を接着します。もとからなのか、時間が経って変形したのか、どちらもパーツも少し反っていて、簡単には接着されてくれなさそうだったので、まず機体後部同士をしっかり接着し、その後に後ろから前へと接着剤を差しこんでいき、接着した部分をクリップで固定する、という工程を何段階かに分けて進めてみました。
 最終的には多数のクリップでがちがちに押さえつけた状態で一晩おく、という方法でばっちし一体に組み上がり。
 この手順を気をつけるのは、クリップを挟んだ部分に間違って接着剤の刷毛を触れないことで、触れてしまうと思い切り挟んだ部分に「流れ込み接着剤」となって酷い跡が残る危険があります。これは作業中の指にもいえることですけど、もしかしたら私が不器用なだけかもしれません。
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 ようやくほとんどすべてのパーツが組み上がり、組立はほぼ完了というところです。折れた後部銃は接着し直したのですが、ちょっとした衝撃ですぐにまたとれてしまったので、合わせ目を平らに成型してドリルで穴を空け、0.5mmの真鍮線を差しこんで補強しました。

 というわけで、このあとはいよいよ基本塗装に入る予定です。

Last Blitzkrieg(IMMELMANN5月例会) [ウォーゲーム]

 昨日は、ゲームクラブIMMELMANNの月例会に参加しました。
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 会場ではまず、先日購入したThe Gamersの新作「Last Blitzkrieg」の、自宅ではなかなか平らに拡げるのが難しい4枚のフルマップを並べてみました。
 上の図の青い線がムーズ川、2つある青い印は上がSt.Vith、したがBastogneです。右の赤い線はドイツ軍のいいまかな攻勢開始線です。
 本作は1ヘクス1kmなので、ムーズ川はかなり遠く感じますし、ゲームは1ターン1日で、全部で16ターンしかありません。
 ドイツ軍のサドンデス勝利条件は、第2SS装甲軍団(2ssPz、9ssPzの2個師団)のある程度の戦力を地図北端に突破させることなのですが、上記の縮尺で果たして可能なのか? と一瞬思うところです。
 しかし、1個師団は1ターンに最大で2回活動でき、機械部隊の移動力は1回の活動につき、道路上なら25~30ヘクス近く移動できるため、突破口さえ開けばなんとかなるようにも思えます。
 なかなかフルキャンペーンをプレーする機会をつくるのは難しいかもしれませんが、地図を見ていると興奮します。

 さて、昨日は前日に訳したばかりのシリーズルールの確認とBCSという新システムの習熟のつもりで、含まれている状況設定の中でも規模の小さい、12月18~22日にかけてのサン・ビトを巡る戦いを並べてみました。
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 マスキングテープで囲った境界線が状況設定で使用するプレーエリアになります。状況設定の説明は英文ルールでぴったり1ページなので、両軍のカウンター数もあまり多くありません。1ターン1日なのでゲームは全部で5ターン行われます。

 米軍は画面の右の方に第106歩兵師団の2個連隊が孤立しており、同師団の残り1個連隊と師団司令部が画面中央南に布陣しています。ここにはサン・ビトへ続くウール川の渡河点が2ヶ所あり、正面にはドイツ軍の第62国民擲弾兵師団が接近しています(上の画像は最初の移動後の位置です)。この地点にはまた、勝利条件のひとつであるブール・ルーランの村があります。
 第106師団を包囲しているのはドイツ軍の第18国民擲弾兵師団の2個連隊で、1個連隊プラス精鋭大隊がサン・ビトの正面へ接近中です。

 サン・ビトは地図のほぼ中央に位置しています(中央近くの青い円)。守っているのは第7機甲師団の司令部と付属の工兵大隊で、加えて広く分散配置されていた第9機甲師団のCCB(コンバットコマンドB)に所属する1個機甲大隊が町の南側に陣取っています。
 第7機甲師団の主力はまだ前線に向かって移動中で、サン・ビトの背後に位置しています。

 さらに、画面の北側には、地図北端からヴィールサルム(画面左端の青い円)へ続く道路があり、ここを第14機甲偵察グループが守っており、正面には北から向かってきた第1SS装甲師団(パイパー戦闘団欠)が対峙しています。

 ドイツ軍の勝利条件は5ターン目の終わりまでに青く囲んだ3ヘクスをすべて占領することで、ひとつでも失敗すれば米軍の勝利です。
 ドイツ軍は地図上の戦力に加えて、第1ターンに地図右端から第9SS装甲師団、および総統護衛旅団が登場し、終盤には第2SS装甲師団と第560国民擲弾兵師団(一部欠)が増強されます。

 5ターンというと短く感じますが、実際には地図の部隊だけでドイツ軍3個師団、米軍2個師団プラス1個連隊、プラス2個大隊があり、これらが部隊単位毎に、米独交互にひとつずつ行動するため、1ターンの経過にはそこそこの時間がかかります。
 特に、1個師団の活動は1回、場合によっては2回連続で行え、ユニット毎に移動と戦闘行動を行うので、一般的な「全部隊の移動>戦闘」という手順に比べれば複雑といえるかと思います。
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 試しに、第1ターンの第62国民擲弾兵師団(62VG)による活動を考えてみました。
 第62VGは3個連隊を有していますが兵力不足なため、各連隊は2個大隊しかありません。練度や装備の充足度を表すAR(アクションレーティング)も「2」と低いのですが、師団司令部には砲兵5ポイントとヘッツァー駆逐戦車大隊が支援兵力として付属しています。
 正面のウール川の戦線には、第106師団(106ID)の1個連隊と第9機甲師団のCCBという、合計2個連隊相当の米軍がおり、兵力的にはほぼ互角というところです。106IDは練度未熟の新兵の多い部隊なので、こちらのARもやはり「2」ですが、9CCBは「3」とやや優秀。

 1個師団の活動は、まずそのターンの指揮統率に問題が生じなかったかを判定する「SNAFU判定」で始まります。これは師団の補給状態や防御態勢か攻撃態勢か、そして隣接部隊との境界線が交差していないかどうかなどを基準に判定します。結果には成功、部分的成功、失敗の3段階があって、使用できる支援や目標マーカー(OBJ)、使用できるユニットの移動力などが決まります。

 次にその師団の攻撃目標を設定します。上のSNAFU判定で使用可能となったOBJ(1~2個)をその部隊の目標に定めたヘクスに配置します。これは司令部の指揮範囲内で敵ユニットが存在するヘクスでなければならず、同部隊による攻撃はそのOBJから2ヘクス以内でなければ行えません。
 よって、1個師団は1回の活動に際し、1または2ヶ所でしか攻勢を行えませんが、2個のOBJを1ヘクスに集中すると、戦闘に有利なDRMが得られます。

 こののち、1ユニットずつ移動させて活動を行っていきます。戦闘は1ユニットずつ行い、自身の移動とセットで行わねばなりません。移動は道路に沿って行えば1ヘクスにつき1/2MPの消費ですみますが、森林では歩兵なら2MP、戦車やトラックは全MPの消費が必要となり、道路以外を迅速に進撃するのはほぼ不可能といえるかと思います。
 部隊は敵軍ZOCに進入すると、原則として停止せねばなりませんが、装甲ユニットはややその制限が緩く、また逆に装甲ユニットは場合によっては敵軍に対してより広いZOCを及ぼす可能性もあります。
 つまり、戦車や対戦車自走砲といった機械化部隊は機動力と柔軟性が歩兵よりも高いということになります。

 戦闘はそこそこ種類があるので箇条書きにすると、
Attack:敵軍ヘクスへの突撃を表し、歩兵によるレギュラーアタックと戦車によるショックアタックがあります。また、先に敵軍に隣接しておいて後から来る友軍の攻撃を援助する「アシスト」という攻撃形態もあります。
 歩兵は攻撃を行うとその活動は終了ですが、戦車は1回の活動につき2回の攻撃を行え、状況次第ではその後に移動も可能です。

Engage:装甲車両同士の射撃戦を表し、相手戦車のZOCに進入した戦車はまずこれを行わねばなりません。

Barrage:長距離火力による砲爆撃を表し、砲兵や航空機によるものと、戦車が歩兵に対して行う「アタックバイファイア」という攻撃方法がこれに含まれます。
 また、砲爆撃には「制圧」と「打撃」の2種類があり、打撃は相手のステップを消耗させ、制圧は続く戦闘にDRMをもたらします。

 これを踏まえて、上の図の活動を検討します。
 62VGはSNAFU判定に成功し、移動力は全力、OBJは2個使えます。司令部はこれを9CCBの第27機械化歩兵大隊がいるヘクスに2個とも集中、そこへ190歩兵連隊の2個大隊をひとつずつ隣接させ、最初の1個がアシスト、次のユニットがアタックを行うという作戦を試みました。
 攻撃は、まず164連隊の第2大隊が目標ヘクスに隣接し、そのユニットによる観測で打撃砲爆撃を3ポイント分行い、できればまず相手のステップするを減らそうと試みました。
 続いて190連隊が前進、1ポイントの砲兵による制圧射撃に続いて、攻撃をしかけます。
 攻撃は「アサルトアロー」とい矢印がカウンターに記載されているユニットでしか行えません。歩兵にはほぼすべてのこのマークがあります。
 判定の前にまず修正値を決定します。ドイツ軍は攻撃ユニットのARが2、アシストで+1、制圧砲撃で+2、OBJを2個集中したことで+1、師団の「支援隊」となっているヘッツァーにより+1、合計攻撃力は7。
 米軍はCCB/9のARが3、川越えで守っているので+1、荒地で守っているのでさらに+1、合計5、差分値は+2となります。
 これでサイコロを2個振り、出目に修正値である+2を加えて結果を判定します。
 戦闘結果によって、攻撃側と防御側のどちらがステップを損失するか、防御側は後退を強いられるかどうか、そしてそのヘクスに交通渋滞が発生するかが判明します。

 上記の例のなかでちょっと特殊なのが「支援隊」です。これは装甲ユニットまたは対戦車砲などのユニットを、細切れに師団全体の各部隊に配分することを表しています。
 これを行うと通常のユニットとしては機能できませんが、司令部の支援範囲内の全ユニットに「支援効果」を及ぼすことができます。上記の例では戦闘判定に+1DRMです。
 支援を受けているユニットは、場合によってはZOCが拡がったり、戦車に対する防御力が増加したりするので、たとえば歩兵師団所属の戦車大隊は基本的には支援隊として使うことになるように思います。

 このように、BCSは大隊ユニットを基準とした師団レベルのウォーゲームですが、戦車と砲兵、歩兵といった兵科毎の役割を比較的細かく扱っていて、諸兵科連合の作戦を実施している感触を強く感じました。

 また、偵察ユニットは上の師団司令部が配置するOBJに追加して、偵察OBJというマーカーを置くことができるなど、単なる快速部隊ではない能力も持っています。
 各ユニットにステップ数は規模によって2~6ステップで、これはカウンターの裏表4辺に1~8の数値を描いたマーカーを使って表示しますが、戦闘や移動ではステップ数はほとんど考慮しないので、煩雑ではありませんし、1度おいたマーカーはユニットが壊滅するまで取り替えない(回転させたり裏返すだけ)なので、手間も少ないように感じました。

 まだ1ターンの活動を検討しただけの段階なのでなんともいえませんが、この状況設定の作戦だけでも、ドイツ軍はいかにして3つの勝利ポイントを5ターンで達成するか、そのためにどの部隊をどの戦区に投入するかという作戦レベルの意思決定と、各部隊がどうやって作戦目標を達成するかという戦術色の強い意志決定を同時に行うことになる、興味深いシステムだと思います。

 今回の検討を参考に拙の訳文を修正し、さらに作戦検討や実際のプレーを楽しみたいと思っている次第です。

Last Blitzkrieg(BCS#l1)シリーズルール翻訳 [ウォーゲーム]

 先日届いた、The Gamersの新シリーズ、Battalion Combat Seriesのシリーズルールを、とりあえずルール分だけ訳してみました。まだ下訳段階なので、これからプリントアウトして推敲および校正を行いつつ、磨いていこうと思います。
 ですが、とにかくシステムがちょと斬新なうえ、耳慣れない用語が頻発するルールブックなので、実際にゲームを触りつつシステムを把握し、そのうえで訳文に手を入れていくのがいいのかな、とも感じているところです。
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 というわけで、さっそくプレーできるようカウンターもカットしました。マーカーは全部は切り離していないのですが、小さい状況設定をプレーする分には、これでいいかな、と思っています。
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 英文は全部で40ページ、ルール部分だけですと31ページあります。翻訳には10日弱かかりましたので1日3ページ平均、といっても昨日ラストスパートで10ページくらい訳しているので、平均値はあてにならないですねw
 プレーするにはこのほかに図表類および「Last Blitzkrieg」の専用ルールも訳さねばならないのですが、専用ルールは特別ルール部分だけならば4ページしかないので、そのまま読みながらでもプレーできそうなイメージです。
 本作にはこのほか、新しいシステムだということでルールの早見表というか概略を記した4ページの冊子が付属しています。プレー中はこちらも参照することになるかも。
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 カウンターは全部で1680個ですが、そのうちユニットは約半分の800個程度です。

 訳してみたところ、なかなか興味深いシステムだったので、今後もちょこちょこと、ゲームシステムや地図、そして戦闘ユニットなどについてご紹介していこうかな、と考えています。

mpc Snowspeederの製作(その3) [Star Wars]

 製作中のmpc製スノースピーダーは、コクピットを機体に接着する段階まで進めました。
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 ゥン十年前にこのキットを作り始めたとき、コクピットにも手をつけていたようで、パーツにはタミヤアクリルのジャーマングレーらしきカラーが筆塗りされておりました。
 計器パネルやサイドパネルなどにもガンメタルらしきカラーが塗られていたのですが、映像を見るとスノースピーダーのコクピットは基本色がライトグレー、パネル類はその上に黒とシルバーがアクセントで入っているようなイメージです。
 なので、古いジャーマングレーを残しつつ、計器関係の部分をライトグレーと黒およびシルバーで塗り直し、座席シートもブルーグレーを重ねてみました。
 計器パネルのモールドは丁寧に照準器を模したような形状で、AT-ATが映り込んだデカールも付属しています。ですが実際の劇中機には照準器はついておりませんので、ここはモールドを削ってそれらしく塗ってみました。モールドを活かして別バージョン機にしてもよかったかも?
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 コクピットを機体上面に裏側から接着するのですが、その前にコクピット後部のウィンドーパーツ、およびキャノピーを取りつけておかねばなりません。
 このキットは随所に、後からでは加工が難しい工作部分があるので、説明書なしで進めるのはリスキーな気もしますけれど、「仮組みをちゃんと試みる」「失敗したらやり直せばいい」の精神で作業を進めました。
 キャノピーは2組の蝶番をコの字のパーツでコクピット正面に接着するようになっています。順番としては、ウィンドウを機体後部とキャノピー枠に接着>キャノピーを機体上面に接着>コクピット後部につける小さなパーツを接着>最後にコクピットパーツを機体に接着、という手順で形にしました。
 キャノピーは可動なうえ、ウィンドウが広いので内側がけっこうちゃんと見えるため、リキテックスのブラックジェッソを筆塗りで塗っておきました。
 映像ではキャノピー枠の内側もライトグレーのようなのですが、劇中でもけっこう陰になっていて暗いため、黒でいいかなと思った次第です。

 これで、ようやく機体の上下パーツが接着できる、と思いきや、まだエンジン両サイドのエアブレーキが残っておりました。次回はそのあたりの作業を進めます。

mpc Snowspeederの製作(その2) [Star Wars]

 先日製作を開始した、mpc製スノースピーダーは、機体外装パーツの組立を少し進めました。
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 先日組んだエルロンに主武装のブラスタービームを組みあわせて機体上面に取りつけていきます。パーツは台形の部分はすべて箱組、砲身は左右分割なので、いずれも摺り合わせと段差や隙間の解消を丁寧に施してみました。
 それでも機体上面とパーツには若干の隙間ができるので、わずかですがパテを擦り込んだりしてみました。
 この時点ではコクピットとエアブレーキ、後部の排気グリルなどを取りつける必要があるので、また機体上面は下面とは接着していません。
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 ひととおり組んでみると、ブラスターの砲身が機体上面から浮き上がってしまったので、ガイド部分に押しつけるように接着し、クリップで乾燥するまで固定しておきました。
 ここで排気グリルも取りつけ、後部回転砲座も修理したのですが、後で再び折れてしまったので真鍮線を補強することになります。
 このあとはコクピットを接着しないと作業が進まないので、上の画像の右側に移っているバスタブ型のコクピットパーツ(作りかけ)を完成させようと思います。すでにそこの搭乗するクルーは組み立ててみました。

Last Blitzkrieg(Battalion Combat Series vol.1) [ウォーゲーム]

 ここ最近、中古の古いウォーゲームを買うことが多かったのですが、昨日、久しぶりに新作ゲームが届きました。
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 こちらはMMP社に合併したThe Gamersブランドの「第1次大戦末期から現代までの陸上戦闘を大隊レベルで再現する」という新シリーズ、「Battalion Combat Series(大隊戦闘シリーズ:通称BCS)」の第1作です。
 扱うのは1944年12月16~31日までのアルデンヌ攻勢、いわゆる「バルジの戦い」で、同じ大隊レベルでは過去にSPI社のWacht am Rhein、COMMAND誌の「Wave of Terror」などがあります。
 本作はWaRと同じくフルマップ4枚のビッグゲームですが、1ターンは1日、カウンター数は1680個ですが、そのうち戦闘ユニットはドイツ軍約360、連合軍約460、合計約800個です。

 状況設定は10個含まれていて、キャンペーンゲームは16ターンを要しますが、その他のショートシナリオは4~10ターンで、5、6ターンのものが多く含まれています。
 システムは同社の「オペレーショナルコンバットシリーズ(OCS)」をスケールダウンしたものを想像していたのですが、ぱっとみただけでもかなり違う、独自のシステムという印象です。同社は小隊レベルのTCS、中隊レベルのGCS、連隊レベルのOCSをこれまで発表していますが、そのどれとも異なる戦闘の様相を再現するのだ、とルールの冒頭で明記しています。

 ルールはまだ読み始めたばかりなので即断は避けることとして、まずコンポーネントをざっと見てみました。
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 地図は4枚で1ヘクスの距離は1km。おおよそバルジを題材にしたゲームが網羅するエリアが含まれていますが、ムーズ川の線はディナン>ナミュール>ユイと続いて地図北端へ抜けており、リエージュは描かれていません。
 勝利条件は基本的には勝利ポイント制ですが、サドンデスの勝利条件として、ドイツ軍は第2、第9SS装甲師団をある程度の戦力を維持した状態で地図北端の登場エリアMまたはN(ナミュールとリエージュの間)から突破させるという目標が与えられています。上記2個師団を「突破戦力」と明確に位置づけているのが興味深いです。
 上の画像はバストーニュ近辺をアップにしたものですが、本作ではバストーニュの重要性を「東西に通じている主要街道(白く描かれた道路:図中の青い線で示す)がバストーニュ経由でしか存在しない」という形で表現しています。
 主要街道と2級道路の違いは、装輪ユニットの移動ポイントコストが1/4と1/2(他の移動クラスは同じ)というだけですが、これは補給に大きく影響するのではないか、とルールを読む前に想像してしまいました。
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 さらに、地図上にはドイツ軍が史実において設定した「道路指定」が記載されています。上の2枚の図で赤く示したもので、赤い点線で描かれています。これは軍団毎にどの道路を使って進撃するかを上級司令部が指示したもので、たとえば第6SS装甲軍は、突破の先鋒となる第1SS、第12SS装甲師団に合わせて4本の道路が割り当てられていました。
 これは実際の戦闘では交通渋滞や友軍同士の誤射といった混乱を防ぐために設定されるものなのですが、ゲーム内でどのように活用するのか興味深いところです。
 これまでこの線が地図上に描かれているバルジゲームは寡聞にして知りませんので、おもしろいと感じた次第です。
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 ユニットカウンターもちらっと見てみます。上の図は第1SS装甲師団の全ユニットで、部隊マーカーのようなものも含めて全部で22個あります。
 第1SS装甲師団は史実においては、主力であるパイパー戦闘団だけが突出して師団本隊とはぐれてしまうわけですが、ここでも明確にカンプグルッペとして独立した部隊となっています。
 おもしろいのは、装甲捜索大隊がきちんと「クニッテル戦闘団」と明記されていることで、大隊規模のこのシリーズがドイツ軍の戦闘団や米軍のコンバットコマンドを意識してデザインされているのかな、と想像させられました。
 戦闘ユニットは「突撃アロー」「突破装甲」「支援装甲」「限定装甲」「複合兵科」「準備未了」といったちょっと耳慣れない名称で分類されています。これらが戦闘システムにどう用いられるのか、ルールを読むのが楽しみになってきました。

 ルールは、シリーズルールが40ページでうち正味のルールが30ページ強、専用ルールは36ページですがルール部分は5ページで、10本の状況設定に17ページが費やされ、残る14ページはデザイナーズノートおよびヒストリカルノートです。
 戦闘結果判定表などの図表類は少なく、戦闘結果判定表も非常にシンプルなもので、ちょっとびっくりしました。ルールには「できるだけ簡潔なシステムで大規模な戦闘を精密に再現する」とあるので、野心的なシステムに興味津々というところです。

 というところで、今回はファースト・インプレッションとして外見をざっと眺めた感想を記しました。すでに翻訳を始めておりますので、引き続きシステムについてもレポートしようと思います。

mpc Snowspeederの製作(その1) [Star Wars]

 先日、Star Warsの新作、エピソードVIIの映像ソフトが発売/配信開始されました。さっそくBDで自宅鑑賞、となると、さっそくスターウォーズ関連のプラモデルキットをつくりたくなってきました。
 スターウォーズのプラモデルは数年前は日本のファインモールド社と米国/ドイツのレベル社が製品化していましたが、最近ではファインモールドに代わってバンダイが取り扱うようになり、ガンプラ並の精度の新作が続々発売されているようです。
 このブログでは以前、ファインモールドのX-WingとTIE-Fighterを製作しましたし、バンダイの新商品も魅力的なのですが、私的には最初のトリロジーが公開された当時のmpc製プラモデルの印象が強いです。で、ストックを漁ってみるとこんなキットが出てきました。
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 エピソードVに登場するスノースピーダーです。mpcのキットは私の記憶では、1作目のときにR2-D2とC-3PO、X-Wingとダースベーダ-仕様のTIE-Fighter(後にTIE-Advancedと呼ばれる)が発売、続いてファルコン号とスターデストロイヤーが出ましたが、これはもしかしたら2作目と同時だったかも。
 で、その2作目のときの新製品のひとつがこのスノースピーダーでした。ほかにスレーヴIやAT-ATもあったような気がしますが、うろ覚え。
 このキットは、ポストホビーからちょっとした用件の報酬としてプレゼントされたもので、当時のバーゲンでも山積みになっていた記憶があります。売れなかったのか数を仕入れすぎたのかは不明。
 当時のmpcのキットは丁寧につくらないとなかなか形にならない部分もあったので、「スターウォーズはファンだけど、プラモデルは・・・」という人には敬遠されたのかもしれません。完成品のトイも数多く出始めておりましたし、それもあったかも。

 ともあれ、私もご多分に漏れず当時は完成させられませんでした。というわけでウン十年ぶりにリベンジ、エピソードVIIとかもう関係ない感じですw
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 まずはパーツを箱から出して仮組みをしつつ、どこまで組み立てたのか、問題点はどこかしら、とチェック。
 一部のパーツがダークイエローに塗られているのは、なんとなく子供心にオリジナルのままつくるのではなく、ただ色だけ変えたナンチャッテ砂漠仕様にして個性発揮したかったのか? と微笑ましい記憶が。
 パーツはキャノピーを胴体上部のヒンジで取りつけるところまで進め、機体後部の回転銃座を接着していましたが、あいにくシャフト部分で折れてしまっています。
 さらに組み立て説明書を紛失しており、作業は手探りになりそうですが、パーツ数はさほど多くないので、なんとかなると信じます。
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 最初にやるべき行程は、機体の上下を接着する前に組み立ておかねばならないコクピットと、補助翼が内蔵されている両翼のブラスター基部の製作でしょうか。
 まだランナーについたままだった補助翼とブラスターのパーツを切り離します。海外製のキットでは最近でもけっこうみかける、パーツに幅広くくっついたゲートがここでもありました。これを無造作にカットするとパーツ側にヒビが入って涙目になるので、注意が必要。パーツから離れたところを丁寧にカットし、慎重にナイフややすりでエッジを整えてみました。
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 で、こちらが組み立てた補助翼。手順はけっこう面倒で、左右2枚のヒンジパーツを接着し、台形の基部に下からとりつけた内部パーツの隙間から上へ通し、補助翼の翼部分を、基部を挟むように上から接着します。
 実は説明書がないためこの手順がよくつかめず、数回間違って組み立てて、ばらすという行程を繰り返してしまいました。
 それでもしっかり組むと補助翼はスムーズに可動し、さらに閉じているときはぴったりと基部に挟まり違和感がありません。
 ただ、接着部分はしっかり面取というかテーパーやパーティングラインを処理しておかないと、接着面積が確保できずにばらけてしまいそうな感じでした。ここでもやはりゆっくり慎重に、ですね。

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