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Ocanaの戦い(Vive l'Empereur) [ウォーゲーム]

 4月30日、練馬でプライベートなゲーム会を開いて、Vive l'Empereurという連隊レベルでナポレオン戦争の諸会戦を扱ったウォーゲームシリーズをプレーしました。
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 このシステムには初挑戦ということもあって、プレーしたのは先日ルールを訳した「Quatre Bataille en Espagne(カトル・バタイユ・アン・エスパーニュ)」のなかのひとつ、1809年晩秋にスペイン軍とフランス軍が衝突し、フランスの勝利に終わった「オカーニャの戦い」です。
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 上の図が初期配置。状況設定としてはフランス軍が攻撃側で、プランス軍プレーヤーはスペイン軍に大損害を与え、少なくともその方面軍戦意を動揺させないと勝利はありません。
 スペイン軍はオカーニャの市街を左翼に、その右側に2列の戦列を布き、両翼を騎兵が援護しています。対するフランス軍も両翼に騎兵を配していますが、歩兵の戦列は1列。兵力では劣るが指揮官と兵の戦意で勝るフランス軍が、スペイン軍戦列をどう崩すのか、というところでしょうか。
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 序盤、フランス軍はまず右翼方面で攻撃を開始、オカーニャの町の両側でスペイン戦列を崩し、町を包囲しようかというところです。
 オカーニャの町は砲撃に対してかなり強靱なので、フランス軍は強力な砲兵でその両側を滅多打ち、スペイン軍は砲兵に続く歩兵の突撃を受け、5ユニットが潰走。
 またフランス軍は左翼では歩兵は前進しませんが、騎兵がスペイン軍右翼へ大きく回り込み、背後を脅かしています。
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 30分後、フランス軍右翼はますます前進し、スールトが陣頭指揮を執る部隊はスペイン軍戦列に大きく食い込んでいます。後ろからは砲兵が砲撃で援護。しかし、この時点でフランス軍にもかなりの死傷者が出ており、状況は見た目よりは緊迫していたようです。
 スペイン軍はオカーニャの町を死守しつつ、なんとか防衛ラインを整えようとしますが、兵力が足りず、最左翼はわずかな騎兵を残して崩壊状態。
 一方、右翼では回り込んできた騎兵を逆に包囲しようとスペイン軍の騎兵が三方に展開するという機動戦に。そしてこの騎兵を孤立させるため、右翼の歩兵も正面のフランス軍戦列に反撃を開始しました。
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 さらに30分後。スペイン軍は左翼でも騎兵による突撃を敢行しますが敵中に孤立、ピンチに陥ります。逆に右翼では歩兵の攻撃が成功し、フランス軍は後退、回り込んできた騎兵も退却していきました。
 中央は一進一退の攻防が続きますが、二線あるスペイン軍は穴が開いたところに第二線のユニットを投入して埋めるのに対してフランス軍は徐々に先細りに。
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 第5ターン。激戦によってスペイン軍の戦列もぼろぼろです。特にオカーニャの両側では半数以上の部隊が混乱状態に陥り、戦列を維持するギリギリまで戦力を消耗。フランス軍は劣勢を意識し、とくにかく攻撃を右翼に集中し、スペイン軍騎兵を敗走させました。左翼では戦列を整えるために後退を続けます。

 というわけでまだ全体の1/3しか進んでいないのですが、早くも両軍大消耗という展開で、このあたりで時間切れということで終わりにしました。

 史実ではフランス軍の圧勝だった戦いがどうしてこの展開になったのか。ひとつには今回は練習ということで、基本ルールしか使っていないため、フランス軍に3人、スペイン軍に1人しかいない指揮官による指揮統率ルールを用いておらず、そこで差が出ていないということがあるかと思います。
 指揮統率ルールを加えると、指揮官がいないスペイン軍右翼は上記のようには柔軟に戦えないと思われ、フランス軍がより主導権を握る展開になのではないでしょうか。

 また、今回のゲームでは両プレーヤーとも戦列全体で戦闘を行っており、早期にたたき合いになってしまい、兵力で劣るフランス軍が序盤に消耗を強いられたのも影響しているかも。これはまだちょっともう少し経験値を積まないとわからないのではないかと思いますが、ナポレオン戦争の会戦ではどの部隊を攻撃に投入し、どこで予備を維持し、攻撃を行わないか、も重要なのかな、と感じた次第です。

 ともあれ、連隊レベルの会戦級は本作とThe GamersのNBSといういずれも比較的手軽にプレーできて、内容も濃いウォーゲームがあるので、今後もチャレンジしたいと思っています。
 対戦してくださったkotatu様、観戦武官としてチャートの参照や戦力ロスターの管理などでお手伝いくださったSin様に大感謝です。

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