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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その2) [ウォーゲーム]

 前回はユニットカウンターの紹介を兼ねて、内容がBCSのシステム解説寄りになってしまったので、いくつかの部隊についてもう少し歴史的なことにも触れてみようと思います。
LB_SSPz2.jpg
 上の図は前回の画像からパイパー戦闘団のユニットだけを抜き出したものです。
 パイパー戦闘団は編成上は第1SS戦車連隊の2個大隊を含んでいましたが、その内訳はもとの第I大隊に所属していたパンター2個中隊(左から4つめ)と、第II大隊のIV号戦車2個中隊(左から5つめ)を統合して新たに第I大隊とし、さらに第501SS重戦車大隊(左から3つめ)を第II大隊としていました。
 手元の資料では装備車両数はIV号とパンターがそれぞれ35両、ティーガーII型が20両程度とされています。1944年のドイツ軍戦車中隊は定数は部隊や時期によってまちまちで、おおむね14、17、あるいは22両でした。武装SSは17両編成にすることが多く、これですと4個中隊で70両というのは納得の数値です。
 第1SS装甲師団(LAH)の戦車はほぼこれですべてなので、パイパー戦闘団は強力ですが、この期に及んで装甲師団には定数の半分程度の戦車しかないことも痛感します。
 BCSはスタック制限が規模や兵科を問わず2ユニットまで、なので、パイパー戦闘団にように戦車部隊の装備する車両がまちまちだと、複数の歩兵部隊を支援できる反面、集中運用は難しいということになりそうです。
 第1SS戦車連隊にはこのほか、連隊直属の工兵中隊(後述)と自走対空砲中隊があったようで、同連隊所属のものらしいヴィルヴェルヴィントの写真が残っていますが、本作のユニットカウンターとしては描かれていません。

 戦車に続いて歩兵ですが、ユニットカウンターでは上の図の左から6つめと7つめに、第2SS装甲擲弾兵連隊の第9、12中隊、および第11、13中隊と記載されたユニットがこれにあたります。
 武装SSの装甲師団に所属する2個の自動車化歩兵連隊はそれぞれ3個大隊編成(陸軍に比べて1個多い)で、全部で6個大隊のうち1個だけが装甲ハーフトラックを装備した「機械化歩兵」でした。LAHの場合は第2連隊の第III大隊で、中隊番号でいうと第9、第10、第11、第12中隊で、そのうち第12中隊は迫撃砲と重機関銃を装備する「重火器中隊」です。
 第13中隊は連隊直属の支援火器中隊のひとつで、編成表をみると自走重歩兵砲を装備していることになっています。ちょっと調べたのですが、これが具体的にどの車両なのかはわかりませんでした。まぁ定数でもぜんぶで6両しかいない兵器なので写真もなかなか残っていないのかもしれません。同時期の第12SS装甲師団など別部隊の編制を調べればわかるかも。
 なお、ユニットカウンターには、もうひとつパイパー戦闘団に属していたはずの第10中隊の表記がありません。これはなぜだろうと考えたのですが、どうも第10中隊は最初の突破時には部隊の先頭にいたらしく、またトロワポンあるいはスタヴロあたりでは偵察活動を行っているような記述があるので、左から2番目の偵察中隊に含まれているのかも。

 戦車、歩兵、偵察に続いては工兵です。上の図では右から3番目に「Pio」と記載された装甲工兵大隊(一部欠)のカウンターがあります。興味深いのがその表記で「3、9」となっています。3というのはおそらく第1SS装甲工兵連隊の第3中隊(おそらく半装軌車装備)だと思いますが、工兵大隊には第9中隊はないので、なんだろう、と思っていました。
 調べてみると、どうも第9中隊は第1SS戦車連隊所属の工兵中隊らしく、これならば9という数字も納得です(戦車連隊は定数では8個中隊編成なので)。
 戦車は行軍に際して封鎖された道路の開通や渡河点の確保が重要なので、簡易な工兵部隊が付属しているのでしょう。といっても本作ではドイツ軍にはゲーム中に破壊された橋梁を修復する能力がなく、パイパー戦闘団は史実どおり、渡河点を求めて彷徨うことになりそうです。

 最後に、ひとつだけ色の違うユニットカウンターについて。これはドイツ空軍所属の「第84対空大隊」で、自走対空砲中隊(各6両)を3個有している、そこそこ強力な部隊です。装備兵器は3.7cm対空機関砲装備の8トンハーフトラックだったようで、こちらは写真が残っています。
 ゲーム的には、ARが2で装甲値1なので、1個のユニットとして運用するよりも、司令部にくっつけてサポートとして使うのがいいのかも、と考えたりしましたが、そのあたりは実践を積まないと理解できなかもです。

 というわけでLast Blitzkriegに登場するパイパー戦闘団を簡単に紹介してみました。ゲーム内で、1個の戦闘団がこれだけ詳細にユニット化されている部隊は他にないので、興味深いです。
 次回、これによって弱体化した第1SS装甲師団の残余を含む、他の部隊もみていこうと思います。

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