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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その7) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegのドイツ軍ユニットカウンター紹介シリーズ。今回は第5装甲軍所属部隊の第3弾、第XXXXVII(47)装甲軍団です。
 この軍団はそもそも、1940年のフランス侵攻終了後に編成された司令部で、翌年のロシア侵攻では第17、18装甲師団を主力とし、グデリアンの第2装甲集団に所属し、その後1944年まで東部戦線、その後ノルマンディーへ移動し西部戦線で作戦を行いました。
 アルデンヌ攻勢時の軍団長はリュトヴィッツ将軍という方で、片メガネを着用したいかにもプロイセン軍人風の方で、有名なのはバストーニュ包囲戦で、米101空挺師団に降伏勧告を行いマコーリフ准将に「ナッツ!」と返答された当の相手です。
 この人は第二次世界大戦を自動車化捜索大隊長でスタートし、その後自動車化歩兵連隊長、同旅団長、そして装甲師団長と、戦闘のほぼ全期間を機械化部隊の指揮官として過ごしたようです。
LB_2Pz.jpg
 第2装甲師団はドイツ軍最初の装甲師団3個のうちのひとつで、当時としては歴戦の精鋭部隊といってよいかと思います。編成を見ると最初に目につくのは、SSの装甲師団より自動車化歩兵が少ないことですが、陸軍ではこちらが標準でした。
 装甲兵力は戦車大隊2個と突撃砲を装備(駆逐戦車を装備と記載している資料もあります)した戦車猟兵大隊1個となっていますが、資料を見ると、第II戦車大隊も装備の半分は突撃砲だったようです。
 アルデンヌ攻勢では全体的にどの装甲師団もパンターよりIV号戦車が不足しているというイメージがあります。これはパンターを優先的に補充された結果なのかどうか、ちょっと興味があります。
 第304装甲擲弾兵連隊の第1大隊はBMWのエンブレムみたいな兵科記号が描かれていますが、これは輸送車両が足りなくて自転車装備の部隊がいたことを示しているようです。
 一方、もうひとつの歩兵連隊である第2装甲擲弾兵連隊は、第II大隊のみ部隊名表記があり、APC装備の第I大隊は「Gutmn(グートマン)戦闘団」に編成されています。
 2Pzは全体的にバランスのとれた編成で、デュアルユニットが2個あり、戦車もサポート用の駆逐戦車も充実しているようです。
LB_LehrPz.jpg
 こちらは2Pzと並んで攻撃に参加した「教導装甲師団」です。この師団は戦車学校の教員やデモンストレーション部隊の搭乗員などをかき集めて1943年に編成された部隊で、ノルマンディーの戦いが初陣、そこでの戦闘と、コブラ作戦の矢面に立ったことでほぼ壊滅し、その後パットンの第3軍と後退戦を行った後、再び再編成されてアルデンヌ攻勢に参加しました。
 師団長はずっと編成時からずっと変わらず、北アフリカでアフリカ軍団の参謀長を務めたバイエルライン将軍です。
 ノルマンディーでは歩兵が全員APCに乗車し、戦車連隊にはキングタイガーまで装備していたモンスター師団でしたが、資料を読むとこの時期の同師団は打って変わって酷い状況だったようです。
 戦車連隊は例によって車両が不足し、戦車大隊の代わりに第559駆逐戦車大隊のヤクトパンターと第243突撃砲旅団のIII号突撃砲を配属されています。師団の戦車猟兵大隊にはIV号駆逐戦車があったようです。
 それにしても、1個の師団内に戦車が2種類、突撃砲と駆逐戦車が3種類とか多すぎ、とか思いますが、どこの軍隊でも各種の車両を全部合わせれば種類は増えるので、どこまでこれが問題だったかはわかりません。大戦前半も各戦車連隊はI号~IV号までの各種戦車を混ぜて装備してましたので、ドイツ軍的には普通だったのかも。それでも1941年でもIII号戦車と35t、38tは別の連隊に配属したりしているので、なかなか微妙なところではあります。
 史実では、この師団はファロイス、ハウザー、ボルジンガーという3個の戦闘団に編成されていたそうです。ファロイスは本作でも捜索大隊基幹のKGとしてユニットになっています。戦車連隊からIV号戦車を分遣されているので、AV3のデュアルユニットになっています。
 KGハウザーは901PGに突撃砲旅団の主力、KGボルジンガーは902PGに第II戦車大隊という編成だったようです。ということはヤクトパンターとIV号駆逐戦車は予備だったのか、それとも各KGに分遣されたか、後者だとすると本作での使い方と同じということになるかと思います。
 今気がついたのが、この師団はSSはもちろん、2Pzに比べても砲兵火力がやや貧弱です(HQユニットの兵科マークの右に爆発背景で記載された黒い数値)。手元の資料を見ると、確かに同師団には通常あるはずの砲兵連隊の記載がありません。これどーいうこと? と俄然興味が。教導師団の砲兵を探せ!
LB_26VG.jpg
 最後は同軍団唯一の歩兵師団である第26国民擲弾兵師団です。この部隊は12VGと同じく、後期の新編成部隊に古い師団の名称をつけた、というなんちゃって古参師団ではなく、れっきとしたベテラン師団です。
 3個連隊の歩兵のうち1個は「国民擲弾兵」ではなく「軽歩兵」で、これは12VGと同じで精鋭の証・・・かどうかはわかりませんがそんな雰囲気です。
 展開状態のARが4と、こちらも12VG同様に優秀ですが、バルジを題材にした以前のウォーゲームでは、この師団だけが突出して戦力が高いという印象がありましたが、昨今ではやや評価が平均化しているような印象もありますね。
 編成上はマーダーIII14両を装備する突撃砲部隊があるはずですが、本作ではそれらと自転車装備の偵察部隊、さらに一部の部隊に配備された車両などとともに戦闘団にまとめられているようです。
 この師団は補充大隊や工兵大隊もそこそこ優秀なのも印象的です。兵員数が他の師団の50%増しともいえる17,000もいたらしい(大戦初期の定数に近い)ので、それを反映しているのかもしれません。ゲーム的にはARの高いユニットが多く含まれていると、それだけ長い期間攻撃を続けることが可能になるように思います。
 なお、資料ではこの師団は馬匹も充実していて、だとすると砲兵や重装備の輸送にも問題が少なかったかもしれないですね。このことはこの師団のHQが通常の歩兵師団よりも指揮範囲が広い(HQユニットの左上の黒い数値、通常は5~8だが26VGは10、ちなみに装甲師団は12)ことで表現されいてるのかも。

 というわけで、ある意味ではパイパー戦闘団と並んでバルジにおけるドイツ側のもうひとつの主役ともいえる装甲軍団をご紹介しました。
 次回は最後のドイツ軍部隊である第7軍の2個軍団、合計4個歩兵師団を紹介できればと思います。

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