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Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その12) [WarBirds]

 製作中のハセガワ&ズベズダのBf109F-4Z/Tropはウェザリングの段階に入りました。
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 こちらはハセガワのキット。0.2mm口径のエアブラシを使い、タミヤエナメルのフラットブラックとフラットアースを混ぜて煤色を作り、これを排気管から主翼の付け根にかけて吹きつけてみました。
 シルエットを楽しむ美しい塗装もドイツ機の場合特に魅力なのですが、個人的にはやはりこの排気煙があるとDB601エンジンの気分がぐぐっと盛り上がるような感じがします。
 エナメルを使うのは理由がふたつあって、ひとつはフリーハンドで吹くので失敗したときに消してやり直せるように、ということ。もうひとつはタミヤのエナメルはハンブロールほどではないのですが、けっこうしっかりツヤ消しなので、雰囲気がよい、と感じるからです。ハンブロールより顔料の粒子がやや細かいのもスケール感が出ていいかな、とも思いました。
 また、排気煙と同時にパネルラインを若干強調しようとブラウンのエナメルで墨入れもしています。実物の写真を見るとエンジンカウルのファスナーなどもっとオイルがべとっとついたり、給油口やオイル口から垂れていたりするので、もっと派手に汚してもかっこいいかもしれません。
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 こちらのズベズダのキットはエンジンカウルを開けているので、エアブラシでの作業は矛盾が生じないよう少し気を遣いましたが、同様にエンジン本体ももっと汚してもよいのかもと思ったりもしています。
 主翼上面なども綺麗なままなので、このあとどの程度汚すか、ちょっと思案中です。その間に、一緒に並べようと考えているマルセイユのフィギュアとキューベルワーゲンを製作するかも、です。

Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その11) [WarBirds]

 先日デカールを貼付したハセガワBf109に半ツヤのクリアーを吹きました。ついで、やはりデカールを貼ったまま放置していたズベズダの同じくBf109にもクリアーを。
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 クリアーは今回もMr.カラーのラッカーを使いました。いきなり厚く吹くとデカールが溶けたり、剥がれたりする心配がありましたが、丁寧に砂吹きと本吹きを重ねれば、だいたいのデカールなら大丈夫そうだと感じています。それでもデカールはデリケートなので部分的にテストをしたほうがいいとは思っていますけれど。
 それにしても、延々とBf109F-4を製作してきて、ようやくマーキングの違う2機を並べて楽しめるところまでこぎ着けました。仕上げは2機同時進行で、排気汚れを中心に軽くウェザリングでまとめようと思っています。
 そしてそのあと、マルセイユのパイロットフィギュアと愛車のキューベルワーゲンを製作へ進む予定です。

Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その10) [WarBirds]

 製作中のハセガワ1/48、Bf109F-4Z/Tropは、デカールの乾燥を待つ間にキャノピーのフレームを塗装したので、機体に載せてみました。
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 胴体部分にMr.カラーの119番を少し明るくした色を使ったので、キャノピーの塗装はどうしようか少し考えたのですが、今回は重ね塗りで色味を調節するというテクニックにチャレンジしてみました。
 まず、フレーム内側の色として水性アクリルの黒を筆塗り。その上にハナンツアクリルのRLM79サンディブラウンを塗ります。このままですとかなり暗い色調なので、その上からシタデルカラーのデザートイエロー(絶版色)をさらに重ねてみました。
 デザートイエローはシタデルカラーのなかでもかなり隠蔽力の低い色なのですが、下地にすでにサンディブラウンを塗ってあるので激しいムラになることもなく、しかも下地のサンディブラウンが若干透けるため2色が混ざり合ってけっこうよい雰囲気になりました。
 もちろん胴体のカラーとはわずかに異なる色調ですが、いつものようにキャノピーフレームと胴体の色合いが違って見えるのは普通、と割り切っております。

 このあと半ツヤのクリアを吹く予定なので、キャノピーはまだ接着しておりません。またやはりクリアパーツの照準器も未装備です。
 そのあたりはクリア塗布ののち、ウェザリングの工程と平行しつつと思っています。

Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その9) [WarBirds]

 先日、機体に基本塗装を施したハセガワ1/48のBf109F-4Z/Tropにデカールを貼付しました。
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 まず機体下面ですが、こちらはほぼ主翼下の国籍マークのみ。説明書にはトリムタブに赤い点線のデカールを貼る指示がありますが省略しちゃいました。
 国籍マークを貼ると、翼端のホワイト帯がさらに引き立つような気がします。
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 機体上面。黄の14番という機番は書体が機体によって異なりますが、このマーキングでは黒縁がついて小ぶりな番号になっています。勝手な印象ですが、以前の機体のマーキングに比べ、よりドイツ機っぽい気がします。
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 反対側からも1枚。マルセイユ機の撃墜マークが左舷側にしか描かれていないらしいです。この機体の写真では確認しなかったのですが、他の機体の写真では右舷側にマーキングがないので、上記の説に従っています。ちなみにキットには両舷分のデカールが入っています。
 また、以前のマルセイユ機にはなかった、彼の所属部隊であるJG27のエンブレムが機首に描かれるようになりました。
 コーションデータ類は、燃料給油口のオクタン価表示が、キットのデカールをズベズダの機体に流用してしまったので、どこかから手に入れるべくちょっと保留にしています。
 また、胴体の国籍マークに重なっている救急箱位置表示と、垂直尾翼の機体番号は貼りましたが、胴体パネルの番号、主翼上面の歩行帯、フラップの踏むな表記、搭乗用ステップ位置などは省略しています。
 というのは、実機の写真を見るとこれらのマーキングは汚れや擦れなどで消えたり、見えなくなっていることが多いのと、ステップ位置表示はキットのモールドに墨入れすれば十分かな、と思ったからです。
 この角度で画像を見ると、機体番号がちょっとシルバリングしているようです。キットのデカールはフィルムの透明度が高く、クリアをかけた上に貼るとほとんどわからないのですが、フィルムの面積が広いところはモールドを覆ってしまうため目立つようです。またフィルムがとても薄いので、貼るときに気泡ができやすいかもしれません。
 このあたりはあとでモールドに沿ってナイフを入れたり、軟化剤を使うなどして対応しようと思っています。

 作業はこの後、デカールが乾燥してからズベズダのキットと同時進行で半ツヤのクリアーを吹き、ウェザリングを施して完成という流れになるかと思います。デカール乾燥を待つ間にキャノピー枠を塗装しようと思っていますけれど。

Great Battles of the American Civil War共通ルール翻訳中 [ウォーゲーム]

 1970年代の終わりごろに、SPIという会社から発売されていたウォーゲームのひとつに、Great Battles of the American Civil Warというシリーズがあります。
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 南北戦争の会戦を連隊規模で再現する、いわゆる「大規模戦術級(グラントタクティカル)」というスケールに相当しますが、シリーズに含まれる作品にはゲティスバーグ(これはちょっとルールが違うですが)やアンティータムといった大会戦もあれば、シダー・マウンテンやウィルソンズ・クリークのような小競り合いともいうべき小規模な戦いもあって、場所や時間に応じて選べるのがうれしいです。
 上の画像は我が家にあるシリーズ作品。番外編ともいうべきゲティスバーグの戦いを扱ったTerrible Swift Swordは以前TSR版を持っていたのですが手放してしまいました。また、シリーズ2作目にあたるDrive on Washingtonはなぜか持っておりません(欲しい)。
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 で、これらのウォーゲームは30年くらいまえから持っていたのですが、これまでプレーする機会がなく、コレクションと化しておりました。そこで、そろそろちゃんとプレーしてみようじゃないか、と思い立って、とりあえずシリーズの共通ルールの翻訳に取りかかった次第です。
 上の画像は、左側が原版の共通ルール、右が校正前の試し刷りですが、拙訳の和文です。原文は正味A4で11ページ、和文はちょっと長くなって13ページくらいになりました。それでもいわゆる「ダイオ規模戦術級」のルールとしてはそれほど分量が多いほうではないと思います。
 このスケールで会戦をあつかったシリーズというと、18世紀後半の諸会戦を扱うBattles from the Age of Reasonや、ナポレオン戦争を扱うBatille de NapoleonシリーズやWellington's Victory、あるいは古代の戦闘を題材にしたGreat Battles of Historyシリーズなどがありますが、それらに比べてもこのGBACWはルールがシンプルです。
 これはおそらく、隊形や部隊の運用が複雑で難しかった18世紀以前の戦いよりも、19世紀半ばの南北戦争がより単純な部隊編成を採っていたためなのかもしれません。もちろん編成や運用が単純だからといって戦術が単純になるわけではないと思いますが、南北戦争はそういう意味では大規模会戦級に向いているのかも?

 共通ルールはこれから校正を行って表記の揺れや誤訳、表現の修正などを行う予定ですが、プレーする最初のゲームをどれにしようかというのも、楽しい悩みです。専用ルールの分量が3ページと少なく、プレー時間が短くて入門用なのは第4作のCedar Mountainでしょうか。
 第1作のPea Ridgeはカウンターは少なく専用ルールも5ページですが「西のゲティスバーグ」と呼ばれたこの会戦は3日間も続き、ゲームは各日毎の勝利条件が用意されてはいますが、全部プレーすると30ターンあります。
 大きな会戦だったアンティータムを扱っているA Gleam of Bayonetsは専用ルールが共通ルールよりもページ数が多く、これに挑戦するのはまだ先のことになりそう。
 また、2つのゲームが同梱されているS&TのHorse Soldiersは地図やカウンターはほぼ同じですが、基本ルールが改定されているので、もしかしたら別物なのかもしれません。

 というわけで、長年我が家で眠っていたこのシリーズ、なんとかプレーにこぎつけたいと思っております。

Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その8) [WarBirds]

 製作中のハセガワ1/48、Bf109F-4Z/Tropは、基本塗装とプロペラの塗装と組み立てをすませたのち、機体下面に着陸脚を取りつけました。
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 ハセガワのBf109は先日製作したズベズダのキットや、以前につくったタミヤのE型と比べると、着陸脚がやや華奢(ちなみに実機も華奢だったようなので間違いということはないです)で、取りつけ後の破損や、取り付け角度の設定がちょっとデリケートなように思います。
 もちろん難しいというわけではなくて、やや神経を使うという程度のレベルです。かなり以前に同スケールのG10型を製作した際に主脚柱を追ってしまったトラウマかもですが。
 ともあれ、いつものように主脚柱はハの字に、タイヤはそれとは逆にわずかな角度をつけて取りつけることになりますので、いずれにしても神経質にはなろうかとw ムダに奇妙なデザインなあたり、ここぞドイツ機!という感じかもしれません。
 機体下面はRLM78のブルーと翼端のホワイト、機首のイエローがいい感じにマッチしました。いつもはもっとあとで取りつけるエルロンのマスバランサーとピトー管も、今回は塗装と同時に取りつけてしまいました。
 パネルラインのシャドウも今回は以前よりも多少は自然に感じにできたかな、と思いました。
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 着陸脚を取りつけた状態で表向きに。機首のMG17機銃ならびに過給器の防塵フィルターとエキゾーストパイプ、そしてエキゾーストカバーは水性アクリルのシルバーを筆塗りです。

 作業はこの後、要所にグロスのクリアーを吹いてからデカール貼付という予定ですが、我が家のクリアーは最近、凝固したり黄変したりでちょっと変質してしまったので、どこかで新品を調達する必要がありそうです。こんなとき、近所の模型店がなくなったのが痛いです。

IMMELMANN10月例会 [ウォーゲーム]

 昨日はゲームクラブIMMELMANNの月例会に参加しました。
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 先日ルールを自分で翻訳してみたので、早速プレー。AvalonhillのArab-Israel Warsです。ルールはPanzerblitzの改訂版という感じで、大きな変更点は移動力が2/3程度に減らされ、オーバーランは隣接して2MPsを消費するだけで行え、イスラエル戦車の照準能力の高さやアラブ歩兵の自動小銃や対戦車ロケットの効果を反映して兵器効果表を書き換えた、ということのようです。
 大昔、これを初めてプレーしたころはなにもわかってなくて「アラブ軍の戦車弱いなー」と漠然と思っていましたが、いまでも戦車同士の撃ち合いではアラブ陣営はあいかわらず難しいです。
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 状況設定B1は、第二次中東戦争において前線突破を図るイスラエル軍のシャーマンとAMX-13を、エジプト軍のT-34とSU-100が迎え撃つ、というものですが、お互いに砂丘の陰に陣取って打ち合うだけでは火力も戦意も低いアラブ軍に勝ち目はありません。
 今回エジプト軍を担当したので、なんとか敵が射撃をせずに接近せざるを得ない位置に陣取り、近づいてきたところを近距離から撃つか、相手陣形の一角になだれ込んでオーバーランを仕掛けるしかない、と考えておりました。上の画像はSU-100を右翼に集中して、突出してきた敵軍左翼に攻撃をかけようという構え。
 勝利条件は撃破した敵ユニットにつき両軍とも2ポイント、イスラエル軍は地図下端から突破したユニットに付き1ポイント、エジプト軍は15ターン終了時に盤上に残っているイスラエル軍ユニットにつき1ポイントで、合計獲得ポイント数が多いほうが勝利。
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 で、まぁ結果は上の図のとおり。残り4ターンくらいのところで打つ手がなくなりました。戦車しかでてこない状況設定B1はルール習得用の練習シナリオともいえるのでアラブ不利はしかたないのかもですが、これはもっと練習したいと思わせる内容ではあります。

 無理やりお相手願ったKotatuさま、ありがとうございました。

Hasegawa 1/48 Bf109F-4の製作(その7) [WarBirds]

 製作中のハセガワ1/48スケールBf109F-4Z/Tropは引き続き基本塗装を進めております。
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 機首に取りつけるプロペラはハブごと一体成形ではなく、一枚ずつ別パーツ。キットには幅の狭いタイプと広いタイプの2種類入っています。
 説明書では幅の広いほうを使うよう指示がありますが、資料をみると北アフリカでは幅の狭いほうがよく使われていたらしく、マルセイユ機の写真も見た限りでは狭い方を使っているぽいので、こちらのしてみました。
 軍用機のプロペラというと米軍や英軍の黒、日本陸海軍の銀や茶褐色などが思い浮かびますが、ドイツ機はなんといってもRLM70ブラックグリーンです。しかも諸外国の機体には必ずといっていいほど尖端に黄色や三色で描かれる回転時の危険表示色がありません。
 これはなんでなんでしょうね。フランス機やイタリア機、ロシア機がどうだったのか、ちょっと気になってきたです。
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 ということで別に塗装したプロペラとスピナーを取りつけ、コクピットおよび白と黄の部分を覆っていたマスキングを剥がしました。
 機体上面のRLM79はちょっと明るくしすぎたかな、という気もしないでもないです。しかしまぁ、北アフリカではきっとこのくらい退色したかな、と勝手に解釈。翼端の白はやはりあるといいアクセントになるように思います。

 このあと組み立てはさらに続き、プロペラに続いて着陸脚を取りつけ、細かい部分を塗り分けていこうと思っています。

非非公式、猿遊会別室(その2) [ウォーゲーム]

 先週の土曜日はSPIのAcross Suezを2回プレーした後、OCSのBeyond the Rhineに含まれている、もっと小規模な状況設定「Operation Queen」をセットアップし、序盤の作戦をちょっと検討してみました。
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 女王作戦というのは第二次世界大戦中、米第1軍および第9軍によって1944年の11月中旬から約1ヶ月間にわたって行われた攻勢作戦で、ベルギーとドイツの国境地帯に流れるローア川に橋頭堡を築くべく行われました。
 史実では米軍が大損害を出しつつ、ローア川のダムに到達しますが、そこで「バルジの戦い」で有名なドイツ軍のアルデンヌ攻勢が始まったため、中止を余儀なくされたようです。
 上の画像は初期配置から、最初の砲爆撃までを示しています。地図盤は青いマーカーが四隅に置かれている範囲を用いますが、作戦目標であるローア川は前線からわずか3ヘクス程度の位置にあり、カウンター密度は高いです。
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 連合軍はまず、通常はランダムイベントで発生する絨毯爆撃を確定で行うことができ、それに加え、25攻撃力相当の航空攻撃を4回、72攻撃力相当の砲撃をやはり4回程度行えるだけの砲爆撃力を有しています(画像ではこれらのユニットを開いて見せています)。
 判定の出目次第ではありますが、これだけの砲撃力となると、上図のように前線のドイツ軍は1回の移動&攻撃フェイズで広範囲にDG状態にされてしまいます。
 問題は、米軍としてはどこに突破口を形成するかということかと思います。BtRの特別ルールのひとつ「西方防壁」には「ドイツ軍ユニットに隣接している西方防壁ヘクスには、連合軍は補給線を通せない」とあって、西方防壁の彼方に進撃するには最低でも3ヘクス幅の突破口を設ける必要があることに。
 この状況設定では、初期配置でちょうど米軍の突出部になっているあたり、アーヘンの南、ヒュルトゲン樹林に接するところですでに西方防壁を占領しているので、普通に考えればここを突破するのが楽そう、と思われました。
 そこで砲爆撃ののち、上図の矢印のように地上部隊による攻撃を計画、リアクションフェイズにローア川対岸で予備になっていたドイツ軍砲兵が前進してきていやがらせの砲撃が降り注ぎ、攻撃ヘクスを一カ所変更する必要が生じました。
 しかし、この時点では気づいていなかったのですが、米軍戦列の最右翼に位置している第5機甲師団(米軍には第2、第3、第5の3個機甲師団がいる)を予備にしたのはいいものの、このヘクスは道路上ではないため、突破フェイズに機動を行わせるには移動フェイズに1ヘクス隣へ移動しておく必要があったようです。
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 ともあれ、米軍は戦闘フェイズに2ヘクスでドイツ軍を撃破して突破の戦闘結果を得ました。第104歩兵師団と第2、第3機甲師団が戦闘後前進と突破フェイズの移動でそこからなだれ込み、ドイツ軍陣地2ヘクスを包囲。
 ところが包囲の両翼は右側が戦車大隊1個、左は駆逐戦車大隊1個で守っているだけという状態です。先述のように第5機甲師団を1ヘクス動かしておけば、左側の突破口を補強することが可能でした。
 右側の突破口は、たとえドイツ軍が反撃で穴を開けても地形のために補給を通すのが難しいため、包囲された部隊は風前の灯火だったはず。あるいは、師団の大部分が集結している部隊マーカー内のユニットをやや分散させて、包囲網を厚くしておくという手もあったかも。
 よって、その裏のドイツ軍ターンはこの米軍の弱点を突く作戦ということになると思いました。後方に位置している第9装甲師団を赤い矢印のように突っ込ませて解囲に成功すれば、連合軍の進撃を遅らせられるだけでなく、西方防壁以東の米軍すべてを補給切れにできることになります。
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 というわけで、2ターン目の作戦を検討してみました。米軍としてはこの包囲網を壊滅させないとピンチに陥るので、とにかくオーバーランで破壊を試みることになるかと思います。機甲師団の目の前にはおいしそうな砲兵が居座っているのですが、これらはAR5の突撃砲や捜索大隊が守っているので、手を出すにはちょっと勇気がいるかも・・・。それ以前に、このまかり間違えば大ピンチという作戦計画自体がちょっと勇気ありすぎだったかも、という意見も出ました。
 この状況設定の期間は1ヶ月、終了までは9ターンあるので、もっとじっくりゆっくりでもよかったかも、ということですが、時間があればいずれそのあたりも試してみたい気がします。

 さて、一方のドイツ軍としてはこのあとどうするべきか。上の図では少しでも予備兵力を捻出すべく、北翼の陣地を放棄してローア川まで防衛戦を下げることを検討。南翼はヒュルトゲン樹林で遅滞戦術をとりつつ、最終的にはローア川のいずれか一方は米軍に橋頭堡をつくられても仕方ない、という考え方がよいのではという感じでした。
 図では見にくいのですが、米軍の勝利条件はローア川の渡河点3つすべてを占領することなので、ドイツ軍としては一つでも守り切れればよいという考えです。

 まぁ作戦のゆくえはともかく、この序盤の検討だけでもBtRの米軍による砲爆撃のすさまじさは体感できました。航空戦力もすごいのですが、米軍はともかく各司令部に36攻撃力の砲兵群が常に2個、場合によってはそれに100攻撃力を超える砲兵師団やロケット砲などが付属します。
 上記の戦闘でも絨毯爆撃と航空攻撃は補給を消費しませんが、砲兵の攻撃4個で4SPという膨大な補給を消費してしまうわけで、米軍の火力だけでなく補給力も大戦末期にはその実力を発揮するということかも。

 ともあれ、BtRには他にも魅力的な状況設定が含まれているので、戦役ゲームは難しくても、そうした作戦シナリオだけでももっと触ってみたいと思った次第です。

 お相手くださったKotatuさんおよびSinさん、ありがとうございました。それと場所は違えど、毎年のように猿遊会と同じ日にこっそり行われる分科会ともいうべき集まりを、快く許してくださるたかさわさまにも感謝です。

非公式、猿遊会別室(その1) [ウォーゲーム]

 今週末は都内某所で年に1度のウォーゲーマー祭典「猿遊会」が行われました。私は最近すっかりそちらはご無沙汰ですが、主催者の知人のよしみで同日に近所で内輪のゲーム会を開いたりしております。
 というわけで、今年も数名で集い、小さなウォーゲームをプレーしたり作戦研究をしてみたり、とささやかながら「参加」させていただきました。
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 SPIのAcross Suezは'80年前後に相次いで発売された、同社のカプセルゲームの一作です。ルールは4ページ、地図はA3、カウンター数50個前後で、1973年10月に起きた第4次中東戦争の、シナイ半島において緒戦で苦戦を強いられたイスラエル軍の、エジプト軍に対する反撃を扱っています。
 勝利条件は単純で、イスラエル軍はスエズ運河の渡河点(上の図の地図の下端あたり)に橋梁ユニットを置き、戦闘ユニット6個を突破させた上で、渡河点と地図の反対端にある指定された道路ヘクスまで連絡線を確保する、というものです。
 システムは両軍が移動と戦闘を交互に7回繰り返すだけと単純ですが、規模の小さいウォーゲームではよくありますが、一手の価値が大きくなかなかスリリングです。経験上はイスラエル軍のほうが少しやりやすいような印象がありますが、もう少しプレーすれば変わるかもしれません。
 それにしてもSuez'73、Chinese FarmなどSPIはシナイ半島の戦闘に入れ込んでいたようですね。

 当日はもうひとつ、OCSのBeyond the Rhineに付属する状況設定について、ルールのおさらいをするとともに、作戦をちょっと検討してみましたが、それについてはまた後日。

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