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Baptism by Fireユニットカウンター紹介(その7) [ウォーゲーム]

 数回にわたって続けてきた、BCS第2作「Baptism by Fire」のユニットカウンター紹介も、今回でいちおう最終回となります。
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 最後に見ていくのは、連合軍側の米軍以外の諸部隊です。カセリーヌの戦いというと「米軍苦戦」というイメージで語られることが多いらしいですが、イギリス軍およびフランス軍も作戦に参加し、枢軸軍との戦闘でも重要な役割を果たしていたようです。
 米軍以外の連合軍部隊は複数ユニットからなるフォーメーションが3つ、および独立ユニットが1個です。

 「Nick」と記載された部隊は「ニックフォース」と呼ばれた任務部隊で、イギリス陸軍の第6機甲師団に所属する第26機甲旅団を中核とし、その名称は第6機甲師団長だったキャメロン・ニコルソン准将に由来すると本作のヒストリカルノートに書かれていました。
 イギリス軍の各連隊は、番号だけの米軍とは異なり、それぞれ特徴的な部隊名称を有しています。ユニットを左から順に見ていくと、まず「17/21L」は第17および第21竜騎兵連隊が部隊統合によって一つの戦車大隊となったもので、当初はインドに駐留していましたが、本国へ帰還した後に北アフリカへ投入されたようです。当時の装備車両はヴァレンタインIIIとクルセーダーIIIでした。
 2つめの「2 Loth」は第2ロジアン&ボーダーホース(ヨーマンリー)連隊で、1940年には車両不足を理由に第1自動車化機関銃旅団と呼ばれた部隊に所属していましたが、その後この旅団は第26機甲旅団へ名称変更となり、第6機甲師団を構成する戦車旅団となりました。装備していた戦車は上の槍騎兵と同じです。
 「10 Rifles」はライフル旅団第10大隊のことです。「ライフル旅団」と呼ばれる部隊はイギリス陸軍には1個しかなく、これはもともとナポレオン戦争時代に第95ライフル連隊(ショーン・ビーン演じる勇者シャープがかつて所属していた精鋭部隊ですね)と呼ばれて半島戦役などでフランス軍相手に活躍し、終戦後にライフル旅団と名称が変更になりました。
 この旅団は全部で10個大隊からなり、第1次、第2次世界大戦にはその多くがさまざまな部隊に配属されて作戦に参加しました。第10大隊も第6機甲師団の自動車化歩兵部隊として北アフリカに上陸しました。
 実は、この第10大隊のゴア大隊長は、配下の歩兵中隊1個と、ロジアン&ボーダースの戦車中隊1個を与えられ、このユニットとは別に「ゴアフォース」と呼ばれた諸兵科連合の大隊規模タスクフォースを編成していました。上の画像の上段右端にあるのがそれで、本作では独立ユニットとして扱われています。
 このユニットに兵力を割いたため、第2ロジアン戦車大隊は17/21ランサーズより1ステップ少ないわけですね。
 このタスクフォースの最後のユニットは「2/5 Le」と書かれたユニットで、これは第5レスターシャー連隊第2大隊という郷土防衛隊に属するユニットで、ヒストリカルノートによれば米軍の州兵に準ずる組織であるとされています。
 この部隊はもともと第46歩兵師団に所属しているのですが、前線の歩兵戦力を増強するために急遽送り込まれたもので、実戦経験は皆無、緒戦で大きな損害を出したとされています。

 続いて画像の2段目に並んでいるのが「第1近衛旅団」です。上のライフル旅団同様、近衛旅団もナポレオン戦争以前からの歴史がある由緒ある部隊で、第78歩兵師団に所属してトーチ作戦に参加しました。
 カセリーヌへは独立旅団として送り込まれ、旅団の中核となったのは中程にいる2個の赤いユニット、第3グレナディアガードと第2コールドストリームガードです。これに加え、もう1つの歩兵部隊として右端の第2ハンプシャーも配属されています。
 機甲兵力は「142RAC」と「16/5L」で、前者はチャーチル重歩兵戦車を装備した第25戦車旅団所属の「ロイヤルアーマードコー(王立戦車軍団)第142大隊」です。
 後者はニックフォースと同じ第6機甲師団の第26機甲旅団に所属する第16/5槍騎兵連隊で、これも「17/21」同様、2つの騎兵連隊を統合したユニットです。
 左端にいる2個の対戦車砲ユニットは、いずれも王立砲兵軍団直属の対戦車砲大隊で、当時配備が進められていた6ポンド牽引砲を装備していました。6ポンド砲というと口径はおよそ57mm対戦車砲相当で、クルセーダーIIIやヴァレンタインIIIの主砲と同レベルの火力を有し、このころの米陸軍の対戦車砲部隊よりは優秀だったといえるかもしれません。
 さて、最後にご紹介するのが、ウェルヴェール将軍率いるフランス軍部隊なのですが、この部隊の由来はちょっと特殊です。
 第二次世界大戦後半に登場するフランス軍といえばたいていはド・ゴール将軍率いる「自由フランス軍」であることが多いのですが、このタスクフォース・ウェルヴェールはもともとアルジェリアに配備されていた第19軍団という、枢軸同盟国のヴィシーフランス軍部隊で、上陸してきた連合軍側に寝返ったばかりでした。
 部隊名となったウェルヴェール将軍は「ディヴィジョン・ド・マルシュ・ド・コンスタンティン(DMC)」という臨時編成の師団長で、このタスクフォースには同師団配下の第7アルジェリア歩兵連隊の3個大隊、および米陸軍の第34歩兵師団に属する第168連隊第1大隊、そして映画「プライベート・ライアン」にも登場する米陸軍の第1レンジャー大隊が加わっています。
 北アフリカのヴィシーフランス軍部隊は装備が劣悪で戦意も低かったとされていますが、ウェルヴェール将軍は連合軍に積極的に荷担する人物だったようで、登場する第7アルジェリア連隊も兵力こそ少ないですがアクションレーティングはさほど悪くありません。
 ただ部隊が本国から切り離され、後方組織を有さないがゆえに、配属されたレンジャー大隊同様補充ポイントを受け取ることはできないよう指定されています。

 史実では、これらの連合軍部隊はカセリーヌ峠をはじめとする各地点の隘路を防御したり、米軍機甲部隊を背後から援護したりといった使われ方をしたようですが、こうしてみるとなかなかバカにできない戦力を有しています。
 連合軍プレーヤーとしては主力の米軍戦力にやや不安があるだけに、これらの部隊をどう活用するかが気になるところではないかと思います。

 というわけでBaptism by Fireの枢軸軍、連合軍双方のユニットカウンターをこれですべて見てきました。
 前作のLast Blitzkriegが地図4枚、ユニットカウンター800個オーバーだったのに対して本作は地図2枚、ユニットカウンター120個とかなり規模が小さく、手軽にプレーできそうな感じです。
 大隊レベルの諸兵科連合作戦を再現するため、独創的なゲームシステムを有するシリーズなので、このくらいの規模の作品が習熟するというのはちょうどよいのかもしれません。

 個人的にも、さっそくソロプレーを試みてみようと思った次第です。

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