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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その23) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegにおける12月22日の米軍増援部隊は本作のターニングポイントといえるかもしれません。
 まず砲撃ポイントが一気に22ポイントも使用可能となります。それまで砲兵アセットは初期配置時に合計18ポイント、そして18日に3、20日に2、21日に4ポイント登場するだけだったので、このゲームターンに砲兵アセットは27ポイントから49ポイントへと激増するわけです。
 なお、連合軍が使用可能な航空ポイントはそのターンの天候次第ですが、天候決定に判定表ではなく史実の天候を使用した場合は、12月23~24日から航空ポイントが大量に登場することになります。

 地上部隊の増援もこのゲームターンは数多く、歩兵師団4個、機甲師団2個、機甲旅団1個、機甲騎兵群1個、独立連隊2個などとなっています。初期配置の米軍部隊が歩兵師団4.5個、機甲師団、機甲騎兵群各1個なので、この1ターンだけで初期配置の戦力を超える増援が現れるということになります。
 というわけで、数が多いので今回はまず歩兵師団の増援部隊を見ていこうと思います。
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 まず南方の第3軍に所属する第5歩兵師団です。同師団は11月のメッツ攻防戦に投入された攻略主力部隊のひとつで、SPIの「Patton's Third Army」でもメッツ市街のすぐ南側に配置されています。
 パットンは上記の作戦後にこの師団を優先的に補充したらしく、アルデンヌに投入されたときには完全戦力へと回復していたそうです。
 しかし急いで出撃が命じられたのか、このゲームターンに登場するのは第10歩兵連隊と牽引式の対戦車砲大隊だけで、残りは24日に到着します。実際、すべての歩兵ユニットは完全戦力で登場しますが、司令部は強行軍を反映してか疲労0段階となって現れるようです。
 登場エリアはもっとも東寄りのFで、第4歩兵師団を増強することになりそうです。史実でも、当初は第20軍団所属だったこの師団は1月1日には第4歩兵師団と同じ第12軍団へと異動しています。
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 第5歩兵師団と同じくメッツ攻防戦に参加した第80歩兵師団は1944年8月にノルマンディーに上陸してからロレーヌ、ザールと戦闘を続け、4,000名近い損害を補充しているところだったようです。
 第4機甲師団とともに北上を命じられた同師団は、第5歩兵師団の左隣、ディーキルヒ付近で戦場に登場しますが、史実ではドイツ軍の激しい防御戦闘に足止めを食らったとされています。
 同師団の第610駆逐戦車大隊は装甲値4、射程3を有していますがこれは90mm砲装備のM36ジャクソンが配備されていたことを反映しているようです。もっとも、この師団の正面にはドイツ軍装甲戦力はヘッツァー程度しかいないので、実力を発揮する機会はこの作戦中は少なかったかもしれませんけれど。
 なお、この師団も戦車大隊以外は定数を満たしていますが、司令部は疲労0段階で登場、さらに第5歩兵師団同様、1個連隊が24日に遅れて到着します。
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 第26歩兵師団も上記2個師団と同様に第3軍所属の歩兵師団で、1個連隊が24日に遅れて到着する点まで同じです。登場エリアは第80師団のさらに左側で、地図で見ると上記の3個師団はそれぞれ東から第5、80、26の順に並んで現れることになります。
 同師団が欧州大陸に到着したのはノルマンディーの戦いが終わった後の9月で、それゆえ初陣はロレーヌだったようです。そのときの損害は歩兵ではない後方部隊の兵士などで補充されたらしく、この師団のARはこれを反映して第5、第80両師団より1段階低くなっています。
 一方、第328歩兵連隊の第II大隊を基幹として、戦車を増強して編成されたらしいTFハミルトンは、戦術移動力と装甲値を有するデュアルユニットとなっています。
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 上の3個師団は南から登場する第3軍所属部隊ですが、この第75歩兵師団はこのゲームターンに登場する歩兵師団のなかでは唯一の第1軍所属部隊です。この師団がフランスに上陸したのはアルデンヌ攻勢開始3日前の12月13日。第1軍の予備となってさぁ訓練して実戦投入の準備を、と思っていた矢先に作戦に投入され、いきなり武装SSを含むドイツ軍装甲部隊の攻撃を受けて大損害を出したそうです。
 ほとんどが新兵からなる同師団は、本作でもAR2と米軍師団としては壊滅的損害を受けた第106師団と同じく最低ランク。戦闘準備が整っていないことを反映してか、あるいは数日間でフランスを横断してきた強行軍のためか、司令部も登場時点ですでに疲労1段階を被っています。
 史実ではこの師団はウェルボモンとラ・ロシュの間に投入されましたが、戦闘経験がないため、隣接する第3機甲師団の指揮下に置かれていたそうです。


 それにしても、こうした米軍各歩兵師団の編成や戦闘を鑑みると「ドイツ軍戦車がみんなティーガーに見える」とか「霧の中で奇襲を受けて潰走する」「分散配備された戦車が戦力不足で、密集隊形のドイツ軍装甲部隊に突破される」といったいわゆる松本零士マンガ的な米兵のイメージは、アルデンヌ攻勢時に初陣を経験した部隊のエピソードが元になっているのかなーと漠然と感じました。
 それだけ米軍は師団毎に経験も練度も実際の戦いぶりも部隊毎に、あるいは時期毎に異なるような気がします。
 次回は同じ日に増援部隊として登場する機械化部隊と独立部隊を見ていこうと思います。


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