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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その21) [ウォーゲーム]

 前回に続いてLast Blitzkriegの米軍増援部隊を見ていこうと思います。今回は第3ターン、12月18日に登場する米軍師団です。
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 まず、バストーニュでの戦闘で知られる第10機甲師団です。この師団は1944年秋に欧州に上陸し、11月のロレーヌでの戦闘が初陣だったようです。
 史料を見ていると、このころの米軍は部隊に経験が少なくても、時間をかけて訓練を施され、前線で一度でも実戦を経ていれば、かなり良好な戦闘能力を発揮するように感じます。
 アルデンヌの戦いでは、この師団は第101空挺師団とともにバストーニュで包囲されたわけですが、実際に包囲網内にいたのはCCBだけで、CCAとCCRは突出部南翼の保持およびその後の反撃に用いられたようです。
 本作のヒストリカルノートによると同師団はCCAが規模が大きく、CCRにはほとんど戦力がなかったとしていて、そのため上の画像でも、師団はCCAとCCBという2個の部隊に分かれています。
 また同じヒストリカルノートではバストーニュに立て籠もったCCBは配下の諸兵科連合編成を一般的な「タスクフォース」ではなく「チーム」と呼んでいたそうです。
 各ユニットのARは史実を反映して、ベテランでも新兵でもない平均的レベルを示している一方で、CCAの装甲TFは非常に大きなステップ数を有しています。
 なお、当時の米軍師団は「戦車3個大隊と機械化歩兵3個大隊」と以前に記載しましたが、実際にはこれに「砲兵3個大隊」も加わります。本作の米軍師団は潤沢な弾薬と通信の優勢を反映してか、ドイツ軍の師団よりも大きい4の砲撃力を有していますが、第10機甲師団はそのうち包囲圏内のCCBに1ポイントを割り当てています。
 登場エリアはCCBがバストーニュの南方、CCAはより東方のエヒテルナッハ方面となっています。また、この師団は12月下旬に前線から引き抜かれたので、ゲームでも12月27日にバストーニュのCCBを除いてゲームから取り除かれます。
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 上の第10機甲師団は南方の第3軍方面から送られる増援ですが、第30歩兵師団は前回ご紹介した第1歩兵師団同様、北方のアーヘン地区から投入された部隊です。
 編成は3個歩兵連隊に工兵、戦車、駆逐戦車各1個大隊、4砲撃ポイントと平均的な米軍師団ですが、戦車大隊を除いて完全戦力で登場するため、消耗している第1歩兵師団よりも強力だといえます。
 ただし、上の第10機甲師団もなのですが、司令部が1段階の疲労状態にされているため、登場ターンに積極的な攻撃作戦を行うのは難しいように思います。
 史実では同師団はパイパー戦闘団が通過した後のマルメディーとスタブローの間に割り込み、その進撃を停止させる重要な役割を演じました。「アイゼンハワーのSS」とあだ名されたというエピソードが残っています。
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 続いて第82および第101空挺師団。この2個師団についてはご紹介するまでもなく有名ですが、アルデンヌ攻勢の時期には2個師団ともオランダでの降下作戦からの損耗から回復するため、イギリスへは戻らずフランス国内で再編成を行っていました。
 そのため両師団が属する第17空挺軍団は、欧州派遣軍の総予備という位置づけにおかれており、それゆえにドイツ軍の攻勢が明らかになった段階で急遽投入されることとなった、ということのようです。
 TVシリーズ「バンドオブブラザース」第5話の後半で描かれているように、両師団の移動は灯火管制を解除して夜通し行われるという強行軍で、バルジを扱ったウォーゲームではこの特殊な移動をどう再現するかが問題となります。
 本作ではこの移動をそのまま再現するのではなく、両師団を指定されたいくつかの候補地から米軍プレーヤーが選んだ町にいきなり登場するようになっています。
 両師団とも編成はほぼ同一で、グライダー3個大隊と落下傘歩兵9個大隊、および工兵大隊となっており、装甲兵力がないかわりに兵力が厖大で、また落下傘歩兵には米軍最強ともいえるAR5が与えられています。
 一方、軽歩兵ゆえ砲兵と輸送車両の少なさを反映し、砲撃力は3と1少なく、司令部の指揮範囲も8と、平均的な歩兵師団より2減少しています。それでもドイツ軍歩兵師団の6よりは大きいのですけれど。
 このように兵力とARが高いが機動力が低い空挺師団は固定陣地の防御に威力を発揮するわけで、バストーニュの奮戦も理由のあることだ、という主張を感じます。
 また、特別ルールでは米軍機甲師団の各CCは他の部隊と一緒に配置しても「調整」「混交」「混線」といった異なる部隊が混じることによるさまざまな罰則が適用されません。よって第101師団はバストーニュにおいてCCB/10の装甲援護を得られるわけで、より強力になるわけです。

 こうしてみると、南北から第10機甲と第30歩兵、西から2個の空挺師団が投入される第3ターンは、米軍が戦線を形成する重要な瞬間だといえるかもしれません。また第2ターンの第7機甲師団と併せ、なぜ戦いが突出部となり、サン・ヴィトとバストーニュが結節点となったかもわかってくるような気もします。

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