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OCSの新作Beyond the Rhine(MMP)(その10) [ウォーゲーム]

 先日「次は武装SSと空軍のユニットカウンターを紹介します」と書いたBeyond the Rhine(MMP)ですが、その前に前回の歩兵師団&旅団のほかに、国防軍の特殊なユニットがあるのを忘れていたので、これを紹介しようと思います。
BtR_units017.jpg
 一部に独立歩兵連隊(支隊ユニット1個消し忘れにいま気づく)が含まれていますが、こちらの画像は歩兵科の兵科マークをつけていない陸軍の各種地上ユニットです(砲兵除く)。
 独立連隊扱いの歩兵ユニットには2個の「GD」と記された連隊がありますが、「W」はおそらく1945年春に傷病兵と新兵で編成された「Wackennagel(規模は大隊ですが)」のことでしょうか? 3月1日に緊急即応プールに置け、と指示があるのでおそらくそうだと思います。指揮官はハインリヒ・ガーベナー少佐だそうです。もう一方の「P」のほうは調査中です。
 また、画像の上に並ぶ「VS」というのは「国民突撃隊(VorksStrum)」で、徴兵年齢対象外の少年や高齢者で編成したいわゆる在郷民兵です。
 画面右下の「Alert」は警戒大隊とでも訳しましょうか、臨時編成の即応部隊という扱いになっていて、これと国民突撃隊は「緊急即応プール」という欄で待機し、毎ターンの補充判定でランダムに登場する可能性があります。
 Eの字を倒したような兵科記号は工兵、上向きの矢印「↑」は突撃工兵を表しています。「Pio」というのも工兵で、本来はこちらが突撃工兵だと思うのですが、部隊名を参考に編成を調べて、両者の違いを考えてみようと思っています。
 画面一番下の4個は架橋工兵、「MG」とあるのは機関銃大隊です。機関銃大隊というのはおそらく前大戦の名残で、戦前や大戦初期のドイツ陸軍には軍直轄の火力部隊としてけっこうな数が編成され、中隊や小隊単位で攻撃部隊に分遣されたのではないかと思います。
 北アフリカでロンメル将軍に率いられた第21装甲師団(元の第5軽快師団)の自動車化歩兵はこの独立機関銃大隊2個をそのまま歩兵連隊にしたものでした。歩兵大隊よりやや兵員数が少ないのですが、はじめから全員分の車両を装備していて、火力も高いので重宝したのかも、です。もっとも本作の機関銃大隊はもはや自動車化部隊ではなく、戦力的にはまったく当てにならない存在ではありますが。
 BMWのエンブレムのような兵科記号は自転車歩兵です。OCSでは自転車と騎兵は移動モードの許容移動力が10と大きいうえ、自動車化部隊と違って移動の際に燃料を必要としないので、ドイツ軍的にはたいへん重宝するユニットです。もっと独立大隊が3個程度では、どの程度戦局に寄与するかはわかりませんが。
 最後にドイツ陸軍の色であるフィールドグレーではなくクリーム色のユニットカウンターですが、これはロシア戦線で捕虜となった兵士で編成された「東方(Ost)大隊」です。各ユニットにはロシアとかコサック、ヴォルガ、トルコ、グルジア、さらにはアルメニアといった区別がされています。
 余談ですが、ノルマンディーなどでは「〇〇周年」といった公式イベントでは軍服コスプレを含む戦闘再現企画が行われますが、日本人がコスプレでこれに参加しようとする場合、この東方大隊所属のアジア系ソ連兵捕虜を演じると設定に無理がない・・・らしいです。

 こうしてみると、全体的には質的低下が激しいドイツ陸軍ですが、工兵が軒並みAR4なのが興味深いです。確かに特殊技能を持ちよく訓練された戦闘工兵は、スターリングラードのような包囲戦でも優先して脱出させたという逸話もあるので、大戦末期まで兵員数はともかく戦力は維持していたのかもです。もっとも、いざ戦闘になればその消耗率もすごかったのではないか、と想像しますが。
 映画『スターリングラード(ドイツ版)』ではエル・アラメイン戦後にイタリアで休養していた独立突撃工兵大隊(劇中では「シュトゥルムピオニールバタリョーン」と呼ばれてました)が激戦のスターリングラードに投入され、400名の大隊が緒戦で62名になるというエピソードが語られておりました。
 あの映画は個人的には、ちょっと編集が雑でわかりにくく、まとまりのない作品という印象がありますが、細部の映像は凝りまくりで、軍服のデザインや記章、階級名や口の利き方など、興味深いディテールがいっぱいあっておもしろいです。
 ドイツ語は単語が長いので聞き取りにくく大変ですがw。「オーバーゲフライター(兵長)」や「ウンターオフィツィア(伍長)」、「オーバーロイテナント(中尉)」なんてのは易しい方で、別の映画ですが『大脱走』に出てくるシュトラハヴィッツ軍曹の階級は「オーバーフェルトヴェーベル(曹長)」これすごい早口で聞き取れないですぞ。
 ともあれ、この手の映画はドイツ語字幕つきで見てみたいです。

 それにしてもこれらの部隊をひとつずつリサーチして記事にしたら、けっこうおもしろいでしょうね。その労力を考えると気が遠くなりますけれどw

 というわけで、次回こそ武装SSと空軍、海軍地上部隊をご紹介しようと思います。

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