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OCSの新作Beyond the Rhine(MMP)(その8) [ウォーゲーム]

 先日の国防軍装甲部隊に続いて、今回はドイツ軍の武装SSと空軍の装甲部隊を取り上げます。
BtR_units014.jpg
 ご存じの通り武装SSはヒトラー個人の私的ボディーガードとして発足した部隊で、第二次世界大戦の緒戦のころは兵力的には2.5個師団程度の規模でしたが、大戦末期には30数個師団まで拡大しました。といってもその編成はかなり雑多で、連合軍の正規の戦闘部隊とまともに戦える戦力を有していたのは装甲師団7個、機械化歩兵師団2個、山岳師団1個程度でした。
 本作には上記のうち装甲師団5個(プラス戦闘団規模で登場するのが1個)と機械化歩兵師団1個が登場します。
 精鋭と謳われた武装SSの戦車部隊ですが、フランスやオランダでの戦いののちには激しく消耗し、再編成もままならないまま1944年12月のアルデンヌ攻勢に投入され、再び大きな損害を受けました。
 上のカウンターを見ると、第1装甲師団LAHは戦車大隊が1個しかなく(VI号とV号各2個中隊という混成大隊)、歩兵連隊も装甲兵員輸送車装備の機械化大隊がありません(史実では同師団所属のパイパー戦闘団にはそこそこ装甲兵員輸送車があったはずですが、これをオミットしたのはなぜか、考えちう)。
 史実ではLAHは欠となった第II大隊のかわりに、ティーガー戦車装備の第501SS重戦車大隊を配属されており、画像では右上に鎮座しております。
 本作にはドイツ軍は装甲師団に独立ユニットを1個配属できる(移動の際に師団が燃料を消費すれば、配属されたその独立ユニットは給油を必要としなくなる)というルールがあるのですが、ティーガーは大食らいなので、必ずユニット毎に1Tを消費せねばならない、という選択ルールもあっておもしろいです。
 第10SSおよび12SS装甲師団HJも戦車大隊が1個しかない(さらにHJは装甲捜索大隊がただのオートバイ部隊になっています)のですが、この部隊も戦車不足で駆逐戦車を戦車扱いして使っていたっぽいです。
 それにしても同時期の東部戦線を扱ったBaltic Gapに登場する第11SS師団はのきなみARが5なのに、これらの師団の歩兵ユニットはほぼ4と、若干ですが質の低下が見られます。
 フーバート・マイヤー著「HJ師団史」ではアルデンヌ攻勢前後、同師団は下級指揮官の不足に悩み下士官が小隊長を務めていた部隊もあった、さらに兵員の定数を満たすために海軍歩兵まで配属されていた、らしいのでこの数値もさもありなん、ということでしょうか。

 なお、武装SSのカウンターは黒、で画面に映っている水色の突撃砲と戦車駆逐大隊は空軍所属です。「空軍のくせに装甲車両持ってんの?」というのは永遠のお約束突っ込みかもです。アルデンヌ攻勢では第5降下猟兵師団にヘッツァーあたりが配備されていた、という情報もあります。
 しかし精鋭で鳴らした武装SSも、この時期の連合軍や国防軍の装甲部隊をみてしまうと「これだけじゃ勝てないよん」と直感するところではあります。そのあたりの運用も、本作の興味深いところかもしれません。

 次回はドイツ軍の歩兵を紹介し、その後に航空や砲兵と、連合軍と同じように見ていこうと思っています。

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