SSブログ

Battles from the Age of Reason 3rd Editionの標準ルール翻訳 [ウォーゲーム]

 昨年の秋ごろからのんびりとりかかっていたClash of Arms社のウォーゲームシリーズ、Battles of the Age of Reasonの第3版標準ルールですが、今年に入ってからちょっとペースを上げて、とりあえずルール部分はぜんぶ訳しました。
bar001.jpg
 Battles of the Age of Reasonは1740年のオーストリア継承戦争から1783年のアメリカ独立戦争までの時代を扱った戦術級ウォーゲームシリーズです。1個のコマが大隊~連隊を表し、ひとつの会戦はA全サイズの地図盤1~4枚で再現されます。
 シリーズは90年代はじめにスタートしましたが、ルールがおととし第3版にアップグレードされ、ページ数は標準ルールだけでおよそ40ページとなりました。

 翻訳の手順としてはまず、あまり深く考えずにざーっと全部訳してみて、その後で表記の統一、訳語の選択、推敲、校正といった作業を行い、さらに知人にこっそり配布してチェックしてもらい完成させる、という感じでいつも進めております。

 現在、最初のルール下訳を終えて、現在訳文をチェックしているという段階ですが、今回は18世紀の戦術ということで、これまであまり馴染みのなかった用語や概念に遭遇したり、ゲーム的な造語がルールに用いられていたりしたため、訳語ではけっこう悩んでいるところです。

たとえば、
このゲームでは戦闘ユニットには何段階かの「統制の状態(Order Status)」と「戦意の状態(Moral Status)」があるのですが、両者を混同しないよう区別し、なおかつ原文に比べて不自然な訳語にならないようにするには、どうするか、という問題があります。

・統制の状態=統制状態(Good Order)、混乱状態(Disrupted)

・戦意の状態=戦意良好(Good Moral)、戦意動揺(Shaken)、潰走(Routed)

 当初は戦意の状態にも「動揺状態」「潰走状態」のように「状態」という語をつけていたのですが、これだと統制の状態と混同してしまうかも、と思いとりました。
 これらがすべて「戦意の状態」というひとつのステータスの「段階」であることを示すために、「戦意良好」「戦意動揺」「戦意喪失」という訳語も考慮しに入れ、現在悩んでおります。
 この表記だと統一感はありますが、Routed(潰走状態)を「戦意喪失」としてしまうと、意訳であるばかりか、Rout(潰走)やRout Retreat(潰走後退)という語との整合性がなくなってしまいます。

 ほかにもこうした用語の選択に悩む部分がいくつかあります。たとえばActivationという語とActive Unit。これは移動や戦闘を行わせるために特定の部隊を活動状態とする、および活動状態となっているユニットという意味なのですが、以下の翻訳候補があります。

・Activation=アクティブ化、活動化、活性化
・Active Unit=アクティブ化されたユニット、アクティブ状態のユニット、活動状態のユニット、活性化されたユニット。

Activationだけを考えると、どの訳語でもいいように感じますが、ユニットの状態のことも考えると、どれも一長一短な気がしてきます。

 あくまでもルールですし身内で使うだけですのであまり深く悩む必要はないかもですけれど、こんな感じでゆっくり悩んで完成させるつもりです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。